スケッチブック

□8,友達になれ
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相手はスピアー二匹、ミツハニー四匹

レンと上手く連携出来れば、倒せない相手じゃないはず

「食らえスピスピィィィィィ!」

「来るよ!メイ!」

「任せて!」

乱れ突きをかわす、一発、二発、三発…

「ハニー!」

「!?」

あ、まずい
動きが…

乱れ突きの最後の一発をかわせずに後ろに吹き飛ぶ
ミツハニーの技、甘い香りのせいだ

「くっ…」

「うぅりゃあ!」

レンはそのミツハニーの一匹に弾ける炎を放つ
効果は抜群の技が決まり、一匹のスピアーにも飛び火する

「こっちもお返し!」

私はその飛び火で気がそれたもう一匹のスピアーにつるのムチを食らわせる

「なっ!」

さっきダンジョンでタイプごり押しのラピス付けて来たんだ、正解だったね

「先ずは一匹!」

「よし!オレも!」

「やられてたまるかスピ!」

スピアーが急に数を増やす
いや、これは

「影分身!?」

「食らえスピ!」

影分身で撹乱した状態で、スピアーは更に私に向かってきた

「くっ…!」

何とかしようと眠り粉を振り撒くが、スピアーには効かず、回りのミツハニー達が眠る

「メイ!」

「うん!」

しかしミツハニー達が眠ったことで、私達は攻撃をスピアーに集中させることが出来る

青白い光が私達を包み込み、連携が発動する

「食らええ!」

レンの弾ける炎、私のつるのムチがスピアーに叩き込まれ、スピアーは倒れた

ミツハニー達は起きる前に纏めて倒して、私達はホッと一息ついた

「うぐぐ…

見た感じ弱そうなのに…かなりやるな…
でもこれ早く…片付けないと…
ハチミツ作りに行けないスピスピ!」

「ここは総攻撃で行くスピスピ!」

「くっ…まだやるの…?」

まだ立ち上がってきたスピアー達
しかし

「待ちなさいっ!!」

「うわああぁぁっ!!」

そんなスピアー達の前に、大きな虫ポケモンが現れた
丁度私達とスピアーの間に立つ様に

「ビークイン様っ!!」

「ママー!!」

「スピアー!ミツハニー!
落ち着きなさい
相手はまだ子供ではないですか
それにこの者達はドロボーではありません
いきなりの無礼な振る舞いをどうかお許しください
ただ、今はハチミツの収穫時期です
この時期はとても忙しく、皆気が立っています
あなた達は危険なところに立ち入ってしまった…
そこのところもご理解ください」

とりあえず安心、もう戦わなくて大丈夫そうだ

「あのう…あなたは…?」

「ワタシはビークイン
ここカンロ草原の女王です」

「ふえ〜っ!?じょおう様〜!?」

「フフッ
女王と言ってもハチミツ作りの皆の作業を纏めているだけです」

「あの…じょおう様…
ワタシ…ハチミツがほしくてここに来たんです…」

スボミーがビークインの前に立ち、告げる
スピアーがまた疑いの声を上げ、スボミーが怯える

「待ちなさい
さっきもその流れでこうなったのでしょう?
繰り返してどうするのです」

「お小遣いもちゃんと持ってきました
最近うちのお母さん、顔色も悪いし元気がなくて… そしたらここのハチミツが凄く栄養があるって聞いたんで…
お母さんが食べればきっと元気になってくれるかなと思って…」

スボミーは涙目でそう言った
お母さん思いのいい子なんだ…

「そうだったんですか…
とても思いやりのあるいい子ですね」

ビークインはスボミーにハチミツを渡した

「お金はいりません
これはワタシからのプレゼントです」

「ほ、本当!?
あ、ありがとう…!」

「さあ、早くお帰りなさい
お母さん、元気になるといいですね」


こうして、私達は怪我もなく無事にカンロ草原を後にした

ビークインは優しいポケモンで本当に良かった


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