虹の旅路

□5,コンテスト
1ページ/3ページ


優木は通信コーナーで現在、オーキド博士と話していた

《おお、そうか
おめでとう優木君》

今はグレーバッジの報告が終わったところだ

「それと博士、手持ち制限解除も取れたんですけど」

証として向こうで貰ったカードを出すと、ずいっとオーキド博士の顔がアップになった

《おー!凄いじゃないか優木君!
あれを一発で合格するなんぞポケモン博士でも難しいというのに》

「え…?(簡単だったのにな…)」

少し難しいやつでもあの有名な上から見たプリンくらいのものだったのに

《まあともかく、今日はお疲れじゃったな
翡翠と飛由、君達もお疲れ様じゃ
これからも優木君を頼むぞ》

飛由『おう、俺がいないと頼りねぇからな優木は』

翡翠『…翡翠がいないと優木が可哀想だから』

二匹の発言にショックを受けながらポケモンの言葉のわからない博士の前で項垂れても仕方ないし、苦笑いだけして別れの挨拶
そのまま電源を切った

飛由『へっ、反応しない優木なんてつまらん』

「飛由、翡翠に変なこと吹き込むなよ?」

翡翠『優木ー、翡翠何も言われてないよ?』

今唯一の癒しが汚されたらどうなるか…

飛由『んなこたーしねぇよ
それより早く休もうぜ、明日も大変だろ?』


明日はコンテストの為、またハードなスケジュールだ
飛由はそれを指摘して部屋へ急かした



爽やかな晴れた朝

飛由『んじゃ、俺は昼までちょっくら散歩してくるから』

飛由がそう言い残して優木と翡翠の前から去ったのはついさっき、コンテストのエントリーが終わった直後だった
心配もあったが昼までなら大丈夫だろうと優木は許可した

練習が終わり、なんとか形となった演技に一息つくと直ぐに午後になった

PCに戻るも、まだ飛由は帰ってきていなかった

「遅いな飛由」

翡翠『先に食べちゃう?』

昼食を目の前に並べて、席に着いた時

飛由『わりぃ、遅くなった』

丁度飛由が戻ってきた

「先に食べちゃうとこだったぞ飛由
次からはちゃんと時間通りに戻ってこい」

不機嫌な顔を隠さずに言ってやると、申し訳なさそうに優木の肩に止まった

飛由『すまん…次からはちゃんと戻る』

翡翠『…優木
その会話、夫婦みたいだよ?』


「ぅえ?」

翡翠の言葉に変な声を上げて目が点になる

飛由『…どっちが嫁だ?』

翡翠『優木?』

「ちょっと待って」

この話が確立する前に止めようと必死に弁明し出す優木

「夫婦じゃない…!
ただ僕は飛由が心配で…」

飛由『赤くなんなよ』

「ち、違う!これは暑いだけだ」

飛由『誰も照れんなとは言ってねぇぞ?』

結局墓穴を掘った優木に、翡翠が吹き出した

「翡翠…」

翡翠『優木、飛由が好きなの?』

笑いながらそう問う翡翠
どう見てもノリで言って来ているが、今の優木にノリで返す余裕等皆無だった

「別に、仲間として好きだよ
"仲間として"」

結果仲間としてを強調する優木に、翡翠は更に笑っただけだった

飛由『当たり前だろーが』

飛由もクックッ。と喉を鳴らして笑っていた





,
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ