ゴースト

□第二章
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美園が死んで、ようやく一週間が経とうとしていた。


葬儀にはクラス全員が参列し、担任を始め女子生徒全員が号泣していた。

夏目は半ば放心状態だったが、涙は見せなかった。


クラスは徐々に落ち着きを取り戻しつつある。


しかし、この一件が学校中に広まるまでにさほど時間はかからなかったが、

生徒たちの間では妙な噂が流れていた。



「1組の美園さん、自殺したんだよね?」

「そうそう。学校は事故で片付けてるけど、一人で屋上に行く用事がないもん」

「でも変だよねー。美人だし悩みなんてなさそうなのに」

「美人だからこそできる悩みもあるんでしょ」

「怖ーい!」



自殺……。

美園が自殺なんてするはずない。

夏目はそう確信していた。


クラスではおとなしいけれど、仲の良い友達と話している時は心から楽しんでいる笑顔を見せるのだ。

何か心に闇があれば、ふとした時に表情に表れる。


四六時中美園を観察しているわけではないが、少なくとも夏目はそう思えるほど美園を目で追っていたのだ。


とは言うものの、それはあくまで夏目の感覚的なものによるもので、絶対にそうであるとは言い切れない。

もしも本当に自殺なのだとしたらこれほど悲しいことはない。


そう思ったら急に気になり始めて、


放課後、こっそり屋上に向かった。




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