ゴースト

□モノローグ1
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立ち入り禁止のチェーンを踏み越え、錆び付いた鉄の扉を開ける。

するとそこには息を飲むほどの絶景が広がっていた。


山の上に建った校舎の屋上からは、夕陽の沈むのどかな町並みを一望できた。


去年発見してから、この場所はすっかり私のお気に入り。

放課後になるとよくここに来ては、本を読んだり考え事をしたりぼーっとしたりした。


校舎の西側には校門、その先の坂道の向こうに町が見え、東側は校庭だった。


一足早く夜が訪れた校庭では、ナイターの光に照らされながら野球部がグラウンド整備をしている。


屋上の周囲を囲むフェンスから身を乗り出せば、



なんだか、空を飛べる気がした……。



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