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□水深500m
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side Arioka




「おはよー」

楽屋のドアを開けながらそういった。…が、返事が一つも返ってこない。


「…真っ暗だし」

部屋には電気がついていなくて、物音一つしない。









早く来すぎたかな。

いつも遅刻ぎりぎりだけど、今日は少し早めに来た。




…別に、今日が誕生日だからってわけじゃないけど。

皆に早く祝ってもらいたいからなんていう理由ではないけど!





でも、ちょっとがっかりしてしまった。



















俺は仕方なく、電気のスイッチを探した。

確か、この部屋のスイッチは奥の方にあったような。





そう思って、暗闇を歩いていると何か柔らかいものを踏んだ。



「イテッ!!」

誰かの声が聞こえた。俺が電気をつけると、そこにはいのちゃんがいた。




















「……なにやってんの?いのちゃん」

ドアからは死角になる、ソファの後ろで右手を押さえながらしゃがんでいるいのちゃん。



「もー大ちゃんのせいで俺の作戦が台無しだよ」

作戦?俺が首を傾げると、いのちゃんは説明し始めた。






「楽屋に来たら誰もいなくてさ、じゃあ、次に来た人を驚かそうと思ってさ……っていうのは嘘で…」

いのちゃんはすぐに嘘を吐くから、嘘か本当かを見抜くのが大変だ。
 

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