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□fragile beauty
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壊れやすいものほど美しい...。
side Inoo
「ね、大ちゃん、俺のこと好き?」
大ちゃんの顎を掴み、俺は尋ねた。
「…好き。伊野ちゃんのこと」
大ちゃんは怯えた瞳で俺を見ながら、小さく愛を囁いた。
そんな大ちゃんにイラついて頬を殴ると血が顎を伝った。
だけど、大ちゃんは抵抗をしない。もうそんな気力はないようだ。
「……その顔好きだよ?」
大ちゃんの血をそっと指で拭い、唇を重ねて咥内を犯した。
しばらくして、離すと大ちゃんはやめて…と小さく呟いた。
「なんで?俺はこんなにも大ちゃんのことを愛してるのに」
鎖に繋がれた大ちゃんの腕を掴んだ。
鎖を必死に取ろうとしたようで、腕は傷だらけだ。
「…せっかくの白い肌がもったいないね」
俺は指でその傷を辿った。
「もうやめて!」
大ちゃんは大きな声を出した。…まだそんな声出せたんだ。
「…大ちゃんにそんなことを言う資格がないことぐらい分かってるでしょ?」
裏切り者というと、違う…とか細い声で呟く大ちゃん。