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□sweet nothings
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side Takaki
俺はフランスから帰って来た足で、大貴に会いに行った。
本当は疲れている。
だけど、どうしても大貴に会いたくて、俺は大貴の家のインターホンを押した。
出てきたのは大貴自身だった。俺の顔を見て、かなり驚いているようだ。
「…何で?」
俺は良いからと言って、中に入った。
「会いたかったから来たの。1週間ぐらい会えなかったから。大貴だって寂しかっただろ?」
そういうと、大貴は別にと顔を背けたが部屋に入れてくれた。
大貴は自分のベッドに座り、俺は床に座った。
「…どうだった?フランス」
大貴はクッションを抱えて、聞いてきた。…やっぱり可愛いな。
「すごかったよ。時間がなくてたくさんは見れなかったけど、凱旋門とかモンサンミッシェルとか…」
大貴はそっかと言って、俯いてしまった。
「……知念と一緒で楽しかった?」
その一言で大貴の考えていることが分かった。
俺は大貴の隣に座り、強く抱きしめた。
「ちょっ、いきなり何?」
大貴は離してというように、俺の胸を押した。
「…嫉妬してた?」
そう聞くと、大貴は慌てて首を振った。