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□甘えたい
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甘えたがりの君だから。
side Yamada
「雄也との旅どうだった?」
フランスから帰って来た侑李に尋ねると、侑李は笑った。
「放送見たらわかると思うけど、雄也が子ども過ぎて…」
そこから侑李が話し始めた旅の話はめちゃくちゃ笑えた。
「僕がもう駅に行こうって言っても、雄也はもう行くの?とか言って。エッフェル塔に置いて行こうかと思った」
話を聞く限り、主導権を握っていたのは侑李のようだ。
俺は侑李を抱きしめた。
「大変だったな。じゃあ、あまり甘えられなかったんじゃない?」
俺の腕の中で侑李は小さく頷いた。
「だって、雄也の面倒が大変だったし…」
俺は侑李の頭をゆっくり撫でた。
元々、侑李も甘えん坊だから寂しかっただろう。
「…ずっと、涼介に会いたかった」
侑李は俺の背中に腕をまわし、ぎゅっとしてきた。
そんな侑李がすごく可愛い。
「今度は俺と2人で旅しようか」
そういうと、侑李は嬉しそうに頷いた。
End