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□甘い香り
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お菓子のような甘い香りに魅かれた。
side Arioka
「大ちゃん、この後空いてる?」
雑誌の取材が終わって、楽屋に戻る途中で山田が話しかけてきた。
「空いてるけどどうかした?」
「一緒にパフェ食べに行かない?」
山田の言葉に少し嬉しくなった。
疲れていて甘い物が欲しかったし、何よりも山田との時間が過ごしたい。
「いいよ。じゃあ、着替えたら行こうか」
そういうと、山田は笑顔で頷いた。
「ありがとう、大ちゃん」
山田は甘い物が大好きだ。
俺もお菓子とか好きだけど、山田は俺以上に甘い物好きだ。
俺らは着替えて、外に出た。
「この間、良いお店見つけて、大ちゃんと来たいって思ってたんだ」
そう嬉しそうに話す山田はすごく可愛い。
お店に着いてメニューを見ると、パフェの種類はかなりあった。
「山田は何頼むの?」
メニューを眺める山田に尋ねた。
「俺はいちごのパフェ。大ちゃんは?」
山田らしいと思って、くすっと笑った。