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□待ち合わせ場所
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寒い雪の中、キミはずっと俺を待っていた。
side Takaki
「高木ー酒ねぇの?」
近くにいたクラスメートが尋ねてきた。俺はそいつの頭を叩いた。
「お前、高校生だろ。ありません」
俺は近くにあったジュースを飲み干し、ソファにもたれた。
…さっきから、ずっと頭を巡っている言葉。
『クリスマス、一緒に祝おうね』
…元恋人から言われた言葉だ。
もう別れたのだし、こんなこと忘れてもいいはずなのに忘れられない。
「雄也、どうかした?」
心配そうに恋人の侑李が顔を覗き込んできた。
…そうだ。今はこいつと付き合ってるんだから。
「何でもないよ。…あれ?山田は?」
さっきまでそばにいたはずのクラスメートがいなくなっていた。
「何か電話かかってきたみたいで、外に行ったけど?」
侑李は俺にすり寄ってきた。
こいつのこういう所にまだ慣れない。
『…ね、雄也。そばに行ってもいい?』
いちいち俺に許可を求めるあいつとは大違いな侑李。
…なんで、あいつと比べてるんだろう。