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□君の隣にいたくて
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ずっと隣にいたいだけなのに。
side Arioka
「…なんで」
目の前で伊野ちゃんと光くんがキスしている。
……嘘。
俺は2人にバレないようにその場を走り去った。
近くにあった、今は使われていない楽屋に入り、膝を抱え込んだ。
勝手に涙が溢れていく。
悲しくて悲しくてたまらない。…信じられない。
まだ、撮影が終わってないのだから泣いてはいけないと分かってるのに、とめどなく溢れてくる。
…バカみたい。
やっと涙が止まり、立ち上がって鏡を見た。
「…ひどい顔」
泣いたせいで目は真っ赤に腫れていて、悲しそうな表情を浮かべる自分の顔。
こんな顔じゃ、雑誌の撮影なんか出来ないな。
俺は顔を洗い、外に出た。
あの2人がいるBESTの楽屋に入る勇気なんてなくて、隣の7の楽屋に入った。
「あれ?大ちゃん」
皆がこちらを見た。
「ちょっと遊びに来た」
そういって、山田の隣に座ると山田が耳元で囁いた。