*Shoet DreamU(更新中)*

□【跡部】跡部くんと飼いネコのお話U
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 その夜のことです。跡部くんと郁ちゃんのいるベッドに、セーブルがやってきました。

「ミャ〜」

「あ〜ん? 何だよ」

「セーブル、どうしたの?」

 セーブルはそのまま二人のそばまでやってくると、立ち止まって、お布団の中にいそいそともぐり込み始めました。その場所はちょうど、跡部くんと郁ちゃんの間。いちばんの特等席です。

 セーブルは自分の身体が全部、掛け布団に収まるまでもぐりこむと、くるりと身体の向きを変えました。郁ちゃんに身体をくっつけて、布団からひょっこりと可愛いお顔をのぞかせます。その様子がおかしくて、跡部くんは思わず笑ってしまいます。

 セーブルは名前の通りの黒ネコで、その隣の郁ちゃんは、たまたま跡部くんの趣味で黒いキャミワンピをパジャマ代わりに着ていました。だからまるで“おそろい”のように見えたのです。

「なんか、きょうだいみてぇだな」

「えっ?」

 跡部くんのその言葉に、郁ちゃんとセーブルは不思議そうな顔をしました。二人とも大きな瞳をさらに見開いて、きょとんとしています。

 セーブルももちろん可愛いのですが、郁ちゃんもまた小動物のような可愛らしさで、同じような仕草や表情をすると、跡部くんの目には本当にそっくりに見えてしまいます。郁ちゃんに黒いネコミミがついていればカンペキです。

 跡部くんは頭の中で、郁ちゃんに今よりもっと色っぽい黒の下着を着せて、お揃いのネコミミとしっぽをつけてみました。もちろん、くびわと鈴も忘れません。

 ネコの鳴きまねはさせないにしても、可愛らしい郁ちゃんであれば、こんな衣装でも違和感なく似合ってしまいそうです。真っ白な肌に映える黒のレースと、鈴付きのベルベットのチョーカーを想像して、跡部くんは口の端を上げました。

(…悪くねぇ)

 ダークブラウンの綺麗な髪には、黒のネコミミをつけてもしっくりとくることでしょう。

 きょうだいと言ってもらえて、セーブルと喜んでいる郁ちゃんの隣で、跡部くんはそれらの衣装をどうやって調達しようかと、思いを巡らせたのでした。
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