□約束の合図。
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「ユウナんの場所ってどこ?」

式典に呼ばれていたのを無視して“わたしの居場所に帰る”と言ってルカを飛び出してきてしまった。
当然浮かんでくる疑問はこれである。
可愛らしく首を傾げるリュックの向こう側から、もちろんカモメ団だー!!と叫ぶアニキさんの声。

「だああぁぁもう!!アニキはうるさぁい !!ちょっと黙ってて!!」

リュックの制裁にしょんぼりと肩を落とすアニキさん。
そんな様子を見てパインはあきれ半分にため息をついて私はくすくすと笑い声をこぼす。
いつもの日常。
幸せな景色。
だけれど、あの時浮かんだ景色は此処じゃないんだ。

「アニキさん。」

呼ぶとぱっと顔を輝かせて私を見る。
まるで子犬のようですこし可笑しい。
自分より年上のアニキさんを時折可愛いと感じてしまうのは失礼だろうか。

「アニキさん。わたしね、行きたいとこがあるの。」

抜けるような青い空と青い海。
唐突にその背景が浮かんだ。

「どこどこ?」

キミのコバルトブルーの瞳と同じ色をした、私の故郷。

「ビサイドへ。」

途端にえぇ!?というみんなの驚愕の声。
なんで?どうして?という質問をくすくすと笑うことで追いやった。

でもね。
たぶん、此処なんだ。

キミと初めて逢った場所。
始まりの場所。
だから

「…ユウナの場所、だろ?」

全部わかってる、とでも言いたげなパインの笑顔。
その一言にぴたりと音が止んで私と視線が合う。

「…うん!」

満面の笑みで答えるとリュックとアニキさんもお手上げです、といった風に笑った。


ねぇ、


ティーダ?

あれから二年。
たくさんのことがあったよ。
悲しかったことも苦しかったことも嬉しかったこと、楽しかったことも。

たくさんたくさん、
キミに伝えたいよ。

だから、ね。

また、私たちの物語を
紡ぎに行くよ、キミのところへ。


約束の合図、覚えてるかな?

ね、ティーダ。



end。。。
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ユウナがビサイドへ帰ってきたのは必然な気がします。
ただ、それは今までの受け身の状態ではなくてあくまで前向きなユウナの意志。
ティーダが帰ってくるのを待ってるんじゃなくて自分から迎える前向きな気持ち。
個人的に]-2のそんな成長していくユウナがすごくすごく大好きです!!
読んで下さり感謝ですvv

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