Twelve-year-old mother -12歳の母-

□テニスとは
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越前君からどんな返事が返ってくるのか、すごく怖くてドキドキした。

だけど、帰ってきたは予想もしていなかったものだった。



越前「じゃあ、ボールが返ってくる場所がわかってたってこと?」

『うん…』

越前「やっぱり、試合しようよ」

『えっ?』

越前「水島の予知能力の上を行くボールを打てばいいんでしょ?」

『越前君…』



私のこの力を聞いた人は達はみんな、勝てるわけないと諦め、誰一人勝負を挑んでくるようなことはしなかった。

私の力を知ってもなお、貴方は勝負を挑み、それを超えようと思う。

すごく、心が軽くなった気がした。



越前「…返事は?」

『…お願い、します』

越前「そう来なくっちゃ」



越前君と打ち合っていた男性はいつの間にかいなくなっていて、越前君はラケットを私に差し出した。

彼の手にも、ラケットが握られている。



越前「これで良い?」

『うん、』

越前「じゃ、始めるよ」

『サーブはどうぞ』

越前「わかった。…行くよ」



越前君のその一言でボールが放たれた。





確かに、彼のボールが来る場所はわかる。

だけど、彼は決して諦めることなくボールを拾いに行って、長いラリーが続いた。



『ハァ、ハァ…』

越前「水島、平気?」

『うん、…だけど、少し、っ、疲れちゃって…』



久しぶりに、体のことを気にせずにスポーツに打ち込んだ気がする。

10分くらいしかやっていないけど、その分疲労が凄くて、軽く胸元を抑えて荒くなった息を整えていた。

一度座り込んでしまったのがいけなかったのか、もう一度立てる気がしない…。



彼方「お嬢様っ!」

『…、彼方…』



随分探してくれたのか、髪を乱し、息も上がり気味の彼方が私たちの元へかけてきた。















to be continued...
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