越前君からどんな返事が返ってくるのか、すごく怖くてドキドキした。
だけど、帰ってきたは予想もしていなかったものだった。
越前「じゃあ、ボールが返ってくる場所がわかってたってこと?」
『うん…』
越前「やっぱり、試合しようよ」
『えっ?』
越前「水島の予知能力の上を行くボールを打てばいいんでしょ?」
『越前君…』
私のこの力を聞いた人は達はみんな、勝てるわけないと諦め、誰一人勝負を挑んでくるようなことはしなかった。
私の力を知ってもなお、貴方は勝負を挑み、それを超えようと思う。
すごく、心が軽くなった気がした。
越前「…返事は?」
『…お願い、します』
越前「そう来なくっちゃ」
越前君と打ち合っていた男性はいつの間にかいなくなっていて、越前君はラケットを私に差し出した。
彼の手にも、ラケットが握られている。
越前「これで良い?」
『うん、』
越前「じゃ、始めるよ」
『サーブはどうぞ』
越前「わかった。…行くよ」
越前君のその一言でボールが放たれた。
確かに、彼のボールが来る場所はわかる。
だけど、彼は決して諦めることなくボールを拾いに行って、長いラリーが続いた。
『ハァ、ハァ…』
越前「水島、平気?」
『うん、…だけど、少し、っ、疲れちゃって…』
久しぶりに、体のことを気にせずにスポーツに打ち込んだ気がする。
10分くらいしかやっていないけど、その分疲労が凄くて、軽く胸元を抑えて荒くなった息を整えていた。
一度座り込んでしまったのがいけなかったのか、もう一度立てる気がしない…。
彼方「お嬢様っ!」
『…、彼方…』
随分探してくれたのか、髪を乱し、息も上がり気味の彼方が私たちの元へかけてきた。
to be continued...
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