私が言うと、彼は魔獣に姿を変えた。
いきなりのことに、その場から動けない。
しかし、魔獣は私の横を通り抜け、ある方向へ向かって飛んで行った。
向こうって確か、レオリオが行った方じゃ…。
『レオリオが危ない!フール!』
フール「はい!」
『羽ばたく天使の翼<フラッピングウィング>!フール、行くわよ!』
私は背中に翼を出し、魔獣を追って飛び立った。
魔獣は、崖まで来ると地上に降りた。
私達も魔獣に倣って降りると、魔獣はロープをつかんでいた。
そしてそのロープは、崖の下へと伸ばされている。
と、崖から手が伸び、その手がロープを握った。
『っ!(レオリオっ!)』
そう、それはまさしくレオリオの手だった。