side kurapikt.
10歳のある日、私は森で迷ってしまった。
村はどちらだろうか…?
───ガサッ
不意に、自分以外のものが動く音がした。
クラ「誰だっ!?」
『………』
木の陰から出て来たのは、私と同じくらいの歳の少女。
彼女は、私と同じ金髪の長い髪と、碧の瞳を持っていた。
クラ「君は…、」
『…もしかして、迷ってる?』
クラ「あぁ。道を教えてもらえると嬉しいんだが…。クルタの村だ」
『あっちよ。この先にある川を越えた向こう』
彼女は右の方を指差しながら言った。
その川なら私も知っているし、もう大丈夫だろう。
クラ「ありがとう、助かった。私の名はクラピカ」
『ルリアよ。クラピカはクルタの子なの?』
クラ「あぁ。ルリアは?」
『私は…わからないの。両親のことは何も』
クラ「そ、そうなのか…すまない」
『いいよ、別に。私は一人じゃないもの』
クラ「…一人じゃない?」
『うん!あ、また今度ね』
そう言って、私の村とは反対の方向へ歩いていった。