悲しみの回顧
□訪問者は突然に
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side other.
そして放課後、立海テニス部レギュラー達は柳の案内のもと朱音の家へ向かった。
柳「…ここのはずだ」
柳がそう言って立ち止まったのは、立海から徒歩10分程度のところにある家の前だった。
淡いピンク色の外壁に茶色い屋根、ドアや窓は白で統一されている三階建ての洋風な家。
玄関アプローチの脇に数台の自転車が置かれていた。
玄関の扉の横には、ローマ字で"水島"と書かれていた。
丸井「…ほんとにここなのか?」
桑原「なんかすげぇな」
幸村「とりあえず、家の人に朱音のことを聞こう」
幸村の言葉にみんなが頷き、幸村が代表してインターホンを押そうとした時だった。
『…みんな揃ってどうしたの?家に何か用?』
全員「朱音!?」
レギュラー達が勢いよく振り返ると、そこには自転車の前後についた椅子に幼い子供達を乗せた朱音が立っていた。
幸村「…朱音、」
『何?』
幸村「なんで全然学校来なかったの?」
『…え?』
幸村「初日しか来てないでしょ?」
『もしかして、心配して来てくれた、とか?』
幸村「あぁ」
『…ごめん、幸村。幸村には言っておくべきだったかも…とりあえず中へ入らない?』
朱音はそう言うと自転車を止め、幼い子供達を椅子から降ろした。
玄関へ来ると、指紋認証をしてから鍵を開けた。
『さぁ、どうぞ』
朱音に促され、レギュラー達は家の中へ入った。