side shusuke.
不二「…1ゲーム?」
『はい』
不二「僕は構わないけど…。手塚、いいかい?」
手塚「何か事情があるのか?」
不二「…うん。そんなところかな」
手塚「…いいだろう」
手塚の許可がおり、この試合は異例の1ゲームマッチとなった。
1セットマッチを避けたこと。
男にしては高い声。
そして、"水島"という名にそのエメラルドの瞳。
…君だよね、朱音…。
「1ゲームマッチ、水島トゥ・サーブ」
朱音がボールを数回打ち付け、高くトスを上げた。
───パァンッ…
音がした瞬間、ボールは僕の後方に転がっていた。
「15-0」
大石「…英二、今の見えたか?」
菊丸「…一応。でも、集中してないと危ないかも…」
さすがだね、朱音…。
腕は落ちていないみたいで安心したよ。
そして、これではっきりした。
君はまだ、取り戻していないんだね…。