悲しみの回顧

□海外からの転校生
1ページ/3ページ




side yukimura.



「転校生を紹介しよう」



三限目の授業(担任の授業)での第一声はそれだった。

HRの時間になぜやらなかったんだ…?

そう思いながら、俺は顔を上げた。



「入って来なさい」



その声に教室の扉が開き、一人の少女が現れた。

サラリと流れるストレートのプラチナブロンドの髪に、深いブルーの瞳。

思わず目を奪われた。



『英:初めまして、水島朱音です。日本はあまり分からないので、色々教えてください。よろしくお願いします』



彼女の口から紡がれたのは、流暢なイギリス英語。

しかもクイーンズイングリッシュのため、名前以外は理解できなかった。



「水島さんの席は幸村の隣だ。幸村」

幸村「はい」



立ち上がった俺の隣、一番後ろの窓側が彼女の席だった。















幸村「英:お昼一緒にどうかな?」



昼休み、俺は朱音を連れて屋上にやって来た。



幸村「みんな、お待たせ」

真田「遅かったな、精市。何かあったのか?」

幸村「あぁ。ウチのクラスに転校生来ただろう?彼女を連れてきたんだ」



R達が俺の後ろを見て一瞬固まった。



仁王「ほぅ、綺麗な子じゃな」

柳生「そうですね」

桑原「外国人、か…?」

幸村「ハーフだよ。でも、同じハーフでもジャッカルとは大違いだよね」

丸井「…確かに」

桑原「なっ!お前なぁ…」

切原「俺、切原赤也ッス!先輩、名前何て言うんスか?」

『英:…切原君?私は朱音、水島朱音。よろしくね』



英語で返って来た返事に、赤也はその場で固まってしまった。

…仕方ない、助けてあげるか…。



幸村「朱音、そのくらいにしておいてあげて。赤也は英語がダメなんだ」














次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ