side yukimura.
「転校生を紹介しよう」
三限目の授業(担任の授業)での第一声はそれだった。
HRの時間になぜやらなかったんだ…?
そう思いながら、俺は顔を上げた。
「入って来なさい」
その声に教室の扉が開き、一人の少女が現れた。
サラリと流れるストレートのプラチナブロンドの髪に、深いブルーの瞳。
思わず目を奪われた。
『英:初めまして、水島朱音です。日本はあまり分からないので、色々教えてください。よろしくお願いします』
彼女の口から紡がれたのは、流暢なイギリス英語。
しかもクイーンズイングリッシュのため、名前以外は理解できなかった。
「水島さんの席は幸村の隣だ。幸村」
幸村「はい」
立ち上がった俺の隣、一番後ろの窓側が彼女の席だった。
幸村「英:お昼一緒にどうかな?」
昼休み、俺は朱音を連れて屋上にやって来た。
幸村「みんな、お待たせ」
真田「遅かったな、精市。何かあったのか?」
幸村「あぁ。ウチのクラスに転校生来ただろう?彼女を連れてきたんだ」
R達が俺の後ろを見て一瞬固まった。
仁王「ほぅ、綺麗な子じゃな」
柳生「そうですね」
桑原「外国人、か…?」
幸村「ハーフだよ。でも、同じハーフでもジャッカルとは大違いだよね」
丸井「…確かに」
桑原「なっ!お前なぁ…」
切原「俺、切原赤也ッス!先輩、名前何て言うんスか?」
『英:…切原君?私は朱音、水島朱音。よろしくね』
英語で返って来た返事に、赤也はその場で固まってしまった。
…仕方ない、助けてあげるか…。
幸村「朱音、そのくらいにしておいてあげて。赤也は英語がダメなんだ」