少女の願い BOOK
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…まぁ、あれだ。
一言で言うと、撃沈した。
アレだけ格好付けてカカシ先生のクナイを防いでおいて、恥ずかしいことこの上ないのだが…。
アレだけ偉そうにサスケに声をかけておいて、恥ずかしいことこの上ないのだが…!!
あの後忍術を出したまでは良かった。が、私の出した風は少し…いや、かなり暴走を起こしてくれた。
簡単に纏めると、
→風遁、烈風掌!
→よし、忍具を跳ね返したぞ!
→む…?風が強くなってきたな?
→風「ブオオォォォオォ!」
→さ、流石に強すぎないか…?というか、どう考えてもこの風自然現象ではないだろう…!?
→まさか…!!私の忍術なのか!?
→し、しまった!体が吹き飛ばされる…!!
『だ、誰か助けろ〜!!』
………バシッ!
足を掴まれた感覚がして目を向けてみると、呆れ顔のカカシ先生がいた。
ホッとしたのも束の間、私は直ぐにカカシ先生にそのまま投げ飛ばされる。
体制を立て直そうとしたその時
…遠くで12時を知らせる時計の音が聞こえた。
地面に這いつくばって、羞恥と悔しさでうずくまる私の前には、
「さ、琴音。皆の所に行こうか。」
イイ笑顔を浮かべるカカシ先生がいた。
所変わって丸太の前。この際ナルトはスルーしておこう。
…一体何をやったら、そうなるんだ
―――十分後。
「おーおー、腹の虫が鳴っとるね、君たち。」
……わざわざ言うか?本当にいい性格してるな、先生。まぁ私は朝ご飯食べてきたから、他の三人ほど空いてはいないが…。其れよりも、だ。先程からビシバシ視線を感じる。犯人はサスケだ。
『…なんだね。』
余りにも気になったので視線を移す。が、慌てたように目を逸らされてしまった。
…あ、そういえば。
サスケとは最後気まずい感じで別れたんだったな。完全に忘れていた。それでか。
そんな私の思考を遮るように先生が口を開いた。
「ところでこの演習についてだが。ま!おまえ等は忍者学校に戻る必要もないな。」
その言葉に私を覗く三人が嬉しそうな顔をする。
『(ははは…。嫌な予感しかしないな。)』
「じゃあさ!じゃあさ!ってことは四人とも…」
ナルトが嬉しそうに足をバタバタさせる。
ニーッッコリ微笑んで、カカシ先生が口を開いた。
「……そう、四人とも…忍者をやめろ!」
「「「!?」」」
『はぁ…。』
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