少女の願い BOOK
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『………で、コレは一体何だね。』
呆れた。あれだけ大きな口を叩いていたサスケは、今は地中に埋まっている。
その目の前には、泡を吹いているサクラがいた。
「クソッ。どれもこれもカカシの仕業だ!」
サスケが悪態をつくのを黙って見ていたら、サスケに叱られた。
「おい、琴音!見ていないで、此処から出るのを手伝え!」
『ふむ、つまり君は無様にもカカシの術中に見事にハマった挙げ句、一人では土の中から出るのもままならないほど弱いのかね?』
そう呟くと、サスケはギロリと睨んでくる。…かなりの負けず嫌いだな。
「さっきはスズに触れた。次なら取れる。」
『…君、世間ではそれを負け惜しみと言うのだよ。まぁ、仕方ないな。手を貸してやろうではないか。』
「………お前は、いちいち言ってる事が癪に触るな。」
………なんだと?
『…そう、かね?』
「ああ、そうだな。キバ達の気が知れねぇ。よくお前なんかと一緒にいられるな、あいつ等。俺だったらお前みたいな友人はお断りだ。」
……今の言葉は流石にくるな。
何時になく饒舌なサスケは、私の大きな目に、だんだんと涙の粒が溜まっていくのに気がつかないようだ。
『…………』
「ふぅ、やっと出れたな。…お前がグジグジしていなけりゃ、もっと早く出れたんだ、ぞ……………って、おい、琴音!」
サスケの言葉を無視して、私は足早にその場を離れた。
……目に涙を溜めながら。
「……何なんだ、アイツ。今……泣いてた?」
サスケはその後、サクラが目覚めるまで、ずっと呆けていた。
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