少女の願い BOOK
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そしてやって来た木の葉。
只今私たちは火影の部屋にいる。
「娘よ、名をなんと言う?」
火影様は優しそうな笑顔を向けて私に聞く。
『姫路琴音だ。』
私は淡々と答えた。
そんな私の態度に側近の人が反応する。
しかし火影はそれを止め、
「イタチから既に聞いておる。驚いたが、儂はお前を信じるよ。」
私はビックリして顔を上げた。こんなに簡単に信じて貰えるとは思わなかったのだ。
「住む場所が無いのだろう?なら木の葉に来るといい」
『……本当かね?』
泣きそうな顔で聞くと、火影は優しく微笑んだ。
「何も心配する事はない。木の葉で面倒を見よう。そうだ、アカデミーに通いたいか?お前さんの年齢だと、後一週間で入学式だ。」
『ああ…頼む。』
今日はひとまず此処に泊まっていけ、行動は明日からだ、と言われて自分の体力が限界だと気づく。
「少し寝なさい。」
その言葉に誘われるように、眠りに落ちていった。
傍らでじっとしていたイタチが初めて口を開いた。
「…火影様。信じて良いのですよね。この子の事」
「琴音の目は真っ直ぐだった。この子が嘘をついていないことは、お前もわかっただろう?」
はい、と返事をし、琴音の頭を少し撫でてから、イタチは部屋を出た。
琴音は頭を撫でられて、気持ちよさそうに喉をゴロゴロ鳴らしていた。
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