少女の願い BOOK
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…………いきなり知ってる人に会いました。
え、
なにこの人お面取ってんの??
確かに取れと言いましたけれど。
「お前、名前は?」
『…姫路琴音だ。』
仕方なく答える。
『…木の葉の人間ではないよ。そもそもこの世界の住民ですらない。』
相手がイタチだとわかった瞬間、警戒心が取れて私は今までの出来事を全て話した。
『…まぁ、信じるかどうかは君の勝手だがね。私は決して嘘をついていない事は伝えておこう。』
……私もうこのキャラで行くわ。
この口調、なんか安心する。
すると黙って聞いていたイタチが
「トリップ、か…。俄に信じられる事ではないが……つまり、今のおまえには身を寄せるところが無いのだろう?」
ならば付いて来い、と言うと、イタチはさっさと歩き出した。
―――イタチside―――
任務からの帰り道の事だった。
暗部の面をかぶり、歩いていると、頭を抱えて悶々としている独りの少女と出会った。
…まだサスケと同じくらいの年頃だろうか。
そんな小さい子供がこの場所にいるのは不自然なので声をかけた。
少女は俺の言葉にピクリと反応し、
「なななな何でございましょうか?」
かなりどもりながら返してきた。
後ずさる少女に威圧感を与え、ここにいる理由を聞いた。
少女は最初、俺がガキ扱いをしたのを不思議そうに聞いていたが、
ふと周りを見出したかと思うと、ハッとしたように自分の手を見た。
そしてみている側からもハッキリと解るくらい冷や汗をたらしてから、
恐る恐るといった感じで俺が暗部の人間か聞いてきた。
隠す事でもないのでそうだと伝え、少女に木の葉の人間か聞いた。
「えっとー、、、、」
少女の目があちこちを彷徨う。
…数十秒待つと、彼女は意を結したように俺を見つめ…
「知りたいかね?」
ゾッとするほど冷たい笑顔で言われた。
さっきと全く違う雰囲気に驚いた。
そして遠まわしに面を外せと言われたので、その通りにした。
少女に対する警戒心はいつの間にかなくなっていた。
それから少女の名前を知り、彼女の生い立ちを聞いた。
到底信じられる物ではなかったが、
彼女を疑っていない自分がいた。
話を聞く限り、身を寄せるところが無さそうだったので、木の葉に連れて行くことにした。
きっと火影様が何とかしてくれるだろう。
(おいおいおいおいおいおい!)