少女の願い BOOK
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私、またトリップしたのか…
しかもNARUTOって。
前々世で、弟が溺愛していたマンガじゃないか。
少しは読んでたんだけど…
やっぱ主要人物位しか覚えていない(ノ_・。)
「おい、聞いているのか?」
『へ?あ、はい。』
さっきから暗部の人が話しかけてきてたみたいだ。
見事に無視していた。
「木の葉の人間か、聞いている。どちらにしても、ここは子供の来る場所ではない。」
その言葉に辺りを見回してみると…あらあら。
夜になると、いかにも出そうな森が広がっていましたとさ。
「どうなんだ。」
『えっとー、、、』
答えながら考える。
この人の言動からしてココは木の葉の中か、その周りの森。
…そして、この人は暗部。
違います、なんて答えた日には子供の姿でも容赦されないだろう。
だからと言ってそうです☆、と答えて木の葉の人間じゃないなんてバレたら…
『(ヤバいヤバいヤバい…!!)』
只今全身冷や汗パラダイス。
どっちに転んでも状況はサイアク。
NARUTOは好きだし、トリップ出来てラッキー☆
なんて思っていた私がバカだった。
よくよく考えればこの世界は死亡率ハンパじゃない。
『(まさか、この世界に来て数分で人生終了なんてことは………かなりあり得る。)』
どうしょうどうしょう。
こんなに困ったのは久しぶりだ。
前の世界では困った時はヴィクトリカが助けてくれた。
…でも、ここにあの子はいない。
可愛くてちっちゃい灰色狼はどこにもいない。
――――なら、
私があの子になりきればいい。
『知りたいかね?』
冷たく笑ってみる。
「ッ!?」
暗部の人は突然私の雰囲気が変わった事に驚いたようだ。
『レディーに物を聞くというのに、自分は面を被ったままかね?』
…よし、とこのまま畳み掛ける。
まぁ、暗部だしお面なんて外してくれないだろうけど。
自信満々に顔をあげてからギョッとしたのは、その人がお面をはずしていたから。
…が、その後すぐに二度目の衝撃が訪れることになる。
お面を外して立っていたのは………………
まだ幼い
うちはイタチだった。
(ちょ、マジか)
(え、なにこれまさかの展開)