嘘のない笑顔で BOOK

□食いしん坊の衝撃
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今日は、待ちに待ったってほど待ってないけど、それなりに楽しみにしていた調理実習の日。
何故このチョイスなのかはわからないけれど、おにぎりを作るのだ。

……安全性を考慮しているのかな?

因みに私は、中身に昆布と梅と鮭を入れるつもりだ。
素朴な味の方が美味しいんだよって今のお母さん(宮原恵子、38歳 既婚)が言ってたし。

少しだけ心を弾ませながら歩いていると、途中でツナ君に出くわしたので、自然と学校まで一緒に行くことになった。

それにしてもツナ君はいつもニコニコしているなあ。(※しまりのない笑顔を浮かべているだけです)それなりに人見知りの私でも話しやすいから、有難い。

その後もツナ君と話に花を咲かせていると、何処からか自転車に乗った美人さんがやって来た。
私達に向かってコーラを投げてきたから、条件反射で受け取ろうとする。

………が、


「だめー!!」


ツナ君がコーラを鞄で叩き落とした。


『えっ………ちょっとツナ君!?』


ビックリして彼に声をかけるが、当の本人は、私の声が届いているのかわからないくらい、顔が真っ青だ。


そんなツナ君を心配しつつダメになってしまったコーラを片付ける為に後ろを振り向こうとしたが、必死な形相のツナ君に止められる。


……う、うん、そんだけ元気があれば、大丈夫、かな?


チラッと視界に入った、コーラから出ている変な煙は見なかったことにしようと思った。
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