嘘のない笑顔で BOOK
□企み
1ページ/4ページ
突然ですが、最近しつこく京子ちゃんに迫ってきては、私から彼女を奪い取る持田先輩に、嫉妬しているnow
だってだって、寂しいんだもん!京子ちゃんは私と話してたのに、取られちゃって悔しいんだもん………。
………と、言うわけで、私は密かに『持田先輩と京子ちゃんを 、引き離そう作戦』を実行しようとしていた。
花ちゃんの呆れたような目は気にしないでおこうと思う。
が、しかし現実はそう甘いものではなく、いくら京子ちゃんを持田先輩の目から遠ざけようとしても、何故かすぐに彼女の居場所がバレてしまう。
え、なにあの人。もしかして京子ちゃんレーダーでもついているんじゃない!?
そのまま何回も京子ちゃんを隠しては見つかり、隠しては見つかり………。
もうここまで来たら、流石の私も諦め………………
る訳無いでしょ!?
負けたまませで引き下がるのだけはしたくない!!!
だけどまあ、この方法じゃあ通じないのは解ってるし。悶々考えていると、そこではた、と思い付く。
………あれ??要は京子ちゃんと持田先輩を引き離せばいいんだから、私が持田先輩に話しかけ続ければいいんじゃ………?
京子ちゃんが自分から話しかけるのは、見たこと無いし。
よし、作戦2、決行!!!
…………結果、見事に私の勝利!!!!
なのは、良いんだけど………。
「おーい!!!くるみ!!」
………無駄に持田先輩になつかれました。
先輩の大きな声に、私と一緒に歩いていた京子ちゃんと花ちゃんも足を止める。
「くるみ!!今日は俺も放課後暇だし、一緒に帰ろう!」
その言葉を聞いて、花ちゃんが冷やかしてきた。
………なんか、付き合ってるワケてもないけど、恥ずかしいな。
苦笑いをしていると、不意に手を引かれる。
見てみると京子ちゃんで、心なしか目をうるうるさせながら、
「今日はくるみちゃんとラ・ナミモリーヌに行く約束してたのに…」
と、呟いていた。
そんな京子ちゃんを、放っておけるハズもなく、
『じゃあ、京子ちゃんも入れて、三人で帰りましょう?』
と、先輩に言って見ると
「おお、構わんぞ!」
と、満面の笑みで答えてくれた。
先輩、いい人じゃないか。