嘘のない笑顔で BOOK

□異世界への門出
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小さい頃から運動神経が悪かった。
かけっこは毎回のようにクラスでビリ。
逆上がりだって出来ないし、何もないところですぐコケる。

でも悪いのが運動神経だけだったら、今までこんなに苦労することはなかったと思う。

私の場合、運動神経に比例して運も人一倍悪かった。
友達と森に遊びに行って、唯一ハチに刺されたり。道端でマンホールが開いていたりしたら、必ずと行っていいほど其処に落ちる。



つまり何が言いたいのかって言うと、中学校からの帰り道、道路の交差点でバナナの皮が落ちていたりしたら、それを踏むのは百パーセントの確率で私なのだ。
漫才のごとくそれを踏みつけた私は、人生初のバク転をしている間、ホトホト自分に呆れ返っていた。

でもそんな余裕ぶっこいていても、迫り来るトラックを見れば血の気だって失せるわけで。
一緒に帰っていた友人の「あほー!」という悲鳴を聞きながら、私の意識はブラックアウトした。
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