ドラゴンボール
□龍の怒り1
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放課後の学校の教室に、二人の女子中学生がいた。
「だから、言ってんじゃん!」
「…違うよ!ミカ!」
「「ゴジータ/ベジットの方がカッコいい!!」」
…などという普通では無いガールズトークをしていた。
「だって…ゴジータって原作に出てないじゃん」
「原作に…出てこないからこそ!愛しいのよ!」
と自分の愛を叫ぶミカ。彼女は、いわゆるドラコンボールオタクであり、腐少女と言われる部類に入る。普段は大人しい少女と見られがちだが…実は、ドラゴンボールの話になると熱が入り、豹変するのだ。
その様子に、若干呆れているリン。彼女もオタクではあるが原作をみた程度である。ミカ程詳しくは無い。リンが…不意に時計が目に入り、見ると、短針が5時を指してていた。リンは、スクールバックを持ち…
「あっ…ミカ。帰ろうよ。時間だし…」
と言った。ミカも時計を見る。
「…ん?そうだね。帰ろうか」
ミカもスクールバックを持つ。二人とも学校を出て、別れを告げ、それぞれの帰り道へと行く。
リンは、帰り道の交差点で信号が青に変わるのを待っていた。そこは、人や車が通らない交差点。リン以外は、誰もいなかった。
中々変わらない信号機。誰もいない交差点。リンは、ある考えが浮かんだ。
信号無視してもいいよね。
そして、リンは車道を歩き出す。
刹那、ものすごい速さでトラックがリンの元へ来る。いきなりのことで身動きができず、そのままトラックにぶつかるリン。
放り出された身体。
視界に入るのは、さっきまでものすごい速さで走ってたのが、嘘の様にピタリと止まったトラック。
意識が薄れていく中で見えたのは、黒いローブを着ていて顔が見えないが、赤い目をしていたのがはっきりとわかるぐらい光っていた人だった。
不思議だったのは“人”じゃなくて自分の体が痛くなかったことだ。