短編集
□結婚幸福持論の女
1ページ/2ページ
「悟空はさ…恋とかよくわかんないでしょ?」
「こい…?…食いもんか?」
「…鯉と間違っているんじゃないの…?」
そうやって、私が笑って…悟空が訳がわからないと言うかの様な顔する。
そういう人なんだって…。わかってた。
だけど…。彼はもう…違う。
チチっていう女の人に会って…結婚して…子供も作って…。…私に紹介してくれたもんね。忘れないよ。色んな意味で、ね。
「…悟空」
「お、リオンじゃねぇか!久しぶりだな!」
「何が…久しぶりよ!!」
彼の頬を引っ張る。「痛ぇ痛ぇよ!」と抗議する彼を無視し、引っ張り続ける。
彼がまだ…小さい頃、私は海の近くに住んでいた。私のところに牛乳を運んでくれた。ほんの少しだけ、話したこともある。クリリンって言う人とも。ある日に、彼は来なくなった。前に言っていた“修業”が終わったのでしょ。だけど…少しだけ、寂しかった。
今も“修業”で、チチさんに迷惑を掛けているんでしょ?せっかく…結婚して幸せになったのに…。
気が済んだから、彼の頬を引っ張るを止める。
「…痛ぇ」
「ある意味。…自業自得よ」
結婚幸福持論の女
(でもよ…。どうして、オラがここにいるって…)
(クリリンが、教えてくれたのよ!)