版権モノ
□sweet times
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父が心配する理由はよくわかる。なぜなら、あたしは一人娘。
つまり、唯一の王位継承者。
その王位継承者に結婚相手がいないということは、すなわち王家の断絶を意味する。そんなの、国を左右する一大事だ。
だから、王家では昔から幼い頃から許嫁が決まっているなんていうのは当たり前のことだった。
しかし、小さい頃からやんちゃで男まさりな性格のあたしは敬遠されることが多く、15になった今でも許嫁なんていうものは存在しない。
「結婚なんて、どうでもいいもん…」
そう呟いてみたものの、どうでもよくないことくらいあたしにもわかっている。
かといって今さらおしとやかにする気はさらさらないし、『結婚』なんて想像すらできない。