版権モノ

□sweet times
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男に生まれればよかった。

何度思ったことだろう。

男だったら。
皇子だったら。
武道の腕を磨くことは喜ばしいことと受け取ってもらえるだろう。

でも、あたしは女だ。
武道の腕を磨こうとすれば、みんなが眉をひそめる。
「女らしくしなさい」と叱られる。

そんなこと言われても、あたしは武道が好きだし、何より『強くなりたい』と思う。

特に最近は城の近くにもモンスターが出るようになったし、なぜか以前より狂暴になった気がする。それならば、男だろうが女だろうがある程度の護身術を身につけるのは必要ではないかと思う。



どうして『女』が強くなってはいけないの?

『女』だって自分の身は自分で守れるようになったほうがいいでしょう?



幼い頃から、よくそんな疑問を父である国王にぶつけた。
そんなとき、父は決まって困ったような顔で言うのだった。

「あまり強いと結婚相手も見つからんぞ」
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