緋弾のアリア――刀使いの復讐者

□第3弾 体育倉庫の変態
1ページ/1ページ

キンジたちと俺が別れたあの場所からのあの方角となるとグラウンドの片隅にある体育倉庫だろう。

そう当たりをつけた俺は体育倉庫に向かっていた。


「やっぱあそこか。扉が壊れてら」


場所が当たっていたことに軽くドヤ顔をきめながら体育倉庫に向かっていたその時。


「ヘンタイ―――――!」


「ん?」


体育倉庫からアニメ声が響いた。


「……この声聞いたことあるな……まあいいや」

それより、まさか本当に変態が現れたのか?


とりあえず行ってみなけりゃわからない。


俺は少し駆け足で体育倉庫に向かうのだった。






体育倉庫に近づくと、7体のさっきと同じセグウェイらしきやつらが銃撃しているのが見えた。


……変態ってなんだったんだ?


「やられたってことはないだろうけど、一応助けてやりますか」


セグウェイを銃撃するためにデザートイーグルを懐から出そうとしたその時。


7体いたセグウェイが、同時に崩れた。

「ありゃ、手助けする必要はなかったか」


まあ必要ないならそれにこしたことはない。
とりあえずキンジたちの所に行くとしよう。




体育倉庫の目の前に来ると、またさっきのアニメ声が聞こえた。


「あ、あたしが気絶してるスキに、ふ、服を、ぬぬ、脱がそうとしてたじゃないっ!」


……さて、変態さんの顔を拝まさせて頂こう。


体育倉庫に入るとその変態のものらしき声が聞こえた。


「あれは不可抗力ってやつだよ。理解してほしい」


ん?なんだかこの声、聞いたことあるような……


「ってキンジかよ!お前…変態だったのか……」


俺が軽く引いていると


「秀哉か。違う、これは誤解なんだ」


「そうか。そう言うなら俺はキンジを信じるけどよ」


「ありがとう。やはり秀哉はいいやつだな」


今のこいつのしゃべり方、なってるな。ヒステリアモードに。


ヒステリアモード。正式名称 ヒステリア・サヴァン・シンドローム。


よくわからんが、性的に興奮すると、一時的にスーパーモードになれるらしい。


あとこのモードのときは口調がキザったらしくなる。


俺がこの話をキンジから打ち明けられたとき、信頼してくれてるんだなぁと思って、結構嬉しかったな……


「私を無視するんじゃないわよっ!」


なんかキンジを助けた女の子が地団駄を踏んでいる。


その後ろから、1体のセグウェイが顔を
出した。
女の子を狙っている。

今にも撃ってきそうだ。

「危ねえ!」


その時、銃弾が発射された。


まあ銃弾程度の速さなら、余裕だ。


俺が刀に手を掛けた瞬間、瞳が紅く染まった。


そしてそのまま―――居合いで銃弾を真っ二つに切り裂く。


「キンジ!」

「……ああ!」
キンジはわかってくれたようで、ベレッタでセグウェイを破壊した。


「大丈夫かい?お嬢ちゃん」


「き、気づいてたんだからね!……ていうかお嬢ちゃんってなによ!」


「だって中学生だろ?」


この時、俺はまだこの言葉がタブーとは知らなかった。故にこの失敗を犯してしまったのは必然といえるだろう。


「あたしは中学生じゃない!!」


どう見ても高校生には見えないしな……

「悪かった、俺も秀哉も間違えて。インターンで入ってきた小学生だったんだな。しかし凄いよ、アリアちゃんは――」

なるほど。インターンで入ってきた小学生か。


……なんか怒ってる?


「こんなヤツ……助けるんじゃなかった!!」

バンバン!


「うおっ!」


「危ねっ!」


足元に撃ち込まれた銃弾に、俺たちは青ざめた。


「 あ た し は 高 2 だ !!」


またもや銃を向けてきた女の子に、キンジが飛びかかり両腕を両脇に抱え込んで後ろに突き出させる。


バンバン!


をいをい、そのままで撃つなよ。


その時、女の子は体格差をものともせずキンジを投げ飛ばした。


この子、強いな。本気出さなきゃ俺でも負けるな。


キンジが受け身を取ると、そのまま体育倉庫から転がり出た。


無論、俺はとっくに体育倉庫からは出ている。


つか、もうそろそろ始業式も終わった頃だろう。
ってわけで。


「キンジ、後は任せた!」


俺は走って校舎へと向かった。


「あ、待てよ秀哉!」


さらばキンジ……

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ