緋弾のアリア――刀使いの復讐者

□第1弾 突然の邂逅
1ページ/1ページ

俺とキンジはバスに乗れなかったこともあり、通学路の風景を眺めながらのサイクリングをしていた。

「あ〜、こういうのもたまにはいいもんだな」

「そだな〜」

これくらいのスピードならなんとか間に合うだろう。

なんたってもう体育館は目と鼻の先だ。
とか考えていると……

「その チャリには 爆弾 が 仕掛けて ありやがります」

……ん?なんか聞こえたぞ…?

声がした方向、すなわちキンジの方向を見ると

なんかキンジの隣に機関銃を装備した……セグウェイだったか?あれが走ってやがる。


「チャリを 降りやがったり 減速 させやがると 爆発 しやがります」


この声は……ボカロだな。あれを使ったやつだ。


「なっ……なんだこれ!」

「キンジ!」


キンジのチャリをよく見ると、サドルの下あたりになんか箱形のものが見える。

……多分プラスチック爆弾だ。しかも大きい。あんなのが爆発したらひとたまりもない……

「助けを 求めては いけません。 ケータイを 使用した場合も 爆発 しやがります」

「とりあえずセグウェイを破壊する!待ってろキンジ!」

俺が懐に手を伸ばそうとしたその時……

俺の後ろから、同じような機関銃を装備したセグウェイが、3、4台追走してきた。


「あなたが 武器を 出そうとした 場合にも 爆発しやがります」

なんてこった。俺にキンジを助けさせないつもりだ。


「キンジ!悪いが助けられそうにない!自分でどうにかできないか?」


「無理だ!今の俺にはどうしようもない!」


どうすればいいんだ……俺はなにもできない。
なにか方法はないのか?

俺がなにかこの状況で使えるものはないかと周囲を見回している、その時だった。
俺は、ありえないものを見た。

近くにある7階建てのマンション……多分女子寮の屋上の縁に、女の子が立っていた。

その女の子はピンクのツインテールをなびかせ、屋上から飛び降りた。


マジか!?




……ってなるほど、パラグライダーか。

女の子はツインテールをなびかせ、こちらに向かってくる。

「バカ! 来るな! この自転車には爆弾が――」


キンジが叫ぶ。だがもう遅い。
女の子は、太もものホルスターから銀と黒の大型拳銃を2丁引き抜いた。
そして――

「ほらそこのバカ!さっさと頭を下げなさいよ!」

バンバンバンバンバン!

キンジが頭を下げる間もなく、女の子
キンジが頭を下げたのを確認もせず、女の子はセグウェイを銃撃した。
弾は全てセグウェイに突き刺さり、その身を破壊した。


おお!すげえ!なんて射撃の腕だ。
あの距離でしかも不安定なパラグライダーからセグウェイを正確に撃ち抜くなんて……


俺は女の子の射撃の腕に驚愕していた。

でも俺の後ろのも破壊してくれればいいのに……
とか思ってもいた。

女の子はキンジの頭を踏みつけ、俺に話しかけてきた。


「私はどっちか一人しか助けられないわ。どうする?」


「俺のチャリには爆弾はついてない!助けるならそいつにしてやってくれ!」


女の子は少し考えこみ

「…わかったわ。アンタも死ぬんじゃないわよ!」

女の子は一度俺たちから離れ、十分距離をとったところで逆さ吊りの姿勢になった。

俺は女の子の考えがわかり、キンジに言った。


「キンジ全力でこげ!俺は俺でなんとかする!」


「……悪い秀哉。また後でな」


キンジはスピードを上げると、女の子に向かって突っ込んで行った。
あっちはあっちでなんとかするだろう。


さあ、早く俺もこいつらを破壊してキンジたちの所に行かなくちゃな。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ