企画

□テツヤ君の日常
1ページ/1ページ

 



朝、通学路。

「大我君」
「どーした? テツヤ」
「手…繋ぎませんか?」
「おぅ!」

ボクたちはいつも手を繋ぐ。

その度にさっきみたいに大我君は笑う。

まるでお日様の様に。

ボクは大我君が笑っているのが好きだから。

だからいつも提案する。

「ふふっ」

ああ、何て幸せなんでしょう。




「あっ、おはよう二人とも!」
「よお、光樹」
「おはようございます、光樹君」

この人は伊月光樹君。

大我君とボクのクラスメイトです。

とても優しく、良い方なんですが…。

「相変わらず仲いいなーお前ら」
「ああ、まあな」

…些か、大我君と話し過ぎです。

そのせいか、思わず握っていた手の力を強めてしまいました。

この際だから言ってやります。

「大我君…光樹君ばかり構わないで下さい」

「悪い悪い」

少しムッとして言うと、大我君は眩しい笑顔でボクの頭を撫でた。

それが気持ち良くて、少しだけ気分が晴れた。

「あ…ごめんな、テツヤ」
「いえ、大丈夫です。
光樹君なら許せますから」
「あはは…」
「んじゃ、学校行くか」
「そうですね」
「あっ、あの約束だけど、大丈夫か?」
「今日だっけか? ウチ来るの」
「たぶん大丈夫ですよ、光樹君」
「そっか! よかったぁ」

二人とも嬉しそうです。

…そう言えば今日はリコ姉さんたちが早帰りと言っていた気が……。

「誰が一番につくか競争しようぜ!」

なんて考えていると、唐突に大我君が言った一言で中断された。

「はあ!?」
「よーいどんっ!」
「早ェよ!!」
「あっ、速いです大我君」









笑顔でボクの手を引く大我君は、やっぱりとてもかっこいいです。






END



 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ