企画

□辰也君の日常
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Hello everyone. 元気かな?

オレは辰也。ここ、木吉家の次男。

最近少し困ったことになってね…。

聞いてくれるかい?













今オレの頭の半分を占めている原因。

「たぁっちぃ〜ん」

そう、この子。

「また勉強してるし〜」

二つ下の男の子・伊月敦。

「だから勉強するって言ったろ。
それでもいいから、って来たんじゃないか敦は」
「いいじゃん。そろそろ休憩しようよー、たっちん」


どういうワケか、一目惚れされてしまったんだよね。















「あ、辰也さん、こんばんは」
「やあ、征十郎。Good evening...ん? その子は誰だい?」
「ああ、クラスメイトの伊月敦と言うんだ」
「そうなんだ。こんばんは、敦君」
「惚れた…!」
「「は?」」
「好きになっちゃったから付き合って下さいっ!」
「………Really?」










簡単に説明すればこんな感じ。

全く…いくら初対面で告白された経験があるとはいえ、流石に年下の男の子に言われたのは初めてだよ。

「ねぇ、聞いてる? たっちん」
「聞いてるよ。仕方無い、休憩にしようか、敦」
「わーい、たっちん大好き〜」

中学二年のはずの敦は、既にオレよりも大きい。

もうすぐ190だ。

その巨躯で振る舞いはまるで小学生。

初めて会ったときは驚いたなぁ。

「おっ菓子ィ〜♪」

オレの目の前でお菓子を頬張る敦。

「誰も盗らないからゆっくり食べなよ」

…まるで森の中に棲んでいる妖精だな。

なんて思って笑うと、敦は不思議そうな顔をする。

「ほら、口元にカスがついてる…」

少し意地悪をしたくなって、その食べかすを舐めとった。

「たっ、たたたたたっちん!!?///」
「敦………真っ赤」
「だ、だってたっちんがいきなり…っ!!」
「ハハッ…可愛いなぁ、敦は」
「む…たっちんのが可愛いし。……お返しっ!」
「、ぅわっΣ」

突然敦がオレに抱き着く。

不意討ちだったため、敦の身体を支えきれずに倒れ込む。

そして鈍い痛みが頭に走る。

「あっ、ごめんたっちん大丈夫!?」
「…ん、大丈夫だよ」
「ホント〜? たっちんの痛いの痛いの飛んでけ〜」
「……ハハッ、ホント面白いなぁ敦は」
「………何か子供扱いしてない?」
「してないしてない」
「…でもたっちん笑ってるし」
「さっきのがツボにはいっちゃっただけだよ」
「ふーん…たっちんのツボって変だねぇ」
「ぇ、そうかな? それ大我にも言われたんだよね…」
「……ねぇ、たっちん」
「ん? 何だい、敦」
「オレさー、たっちんと同じ学校行きたいから勉強教えてー」
「敦が…?」
「うん、もっとたっちんと一緒に居たいからね〜」
「そうか…うん、解ったよ敦。お前がウチにきたら楽しそうだしね」
「やたっ。たっちん大好き〜ぃ」
「Thanks 敦」

敦の纏う空気には自然と絆されてしまう。







そして何より、









この大きな子供になつかれるのも悪くない、ってね。










END


 

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