企画

□大我君の日常
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「大我君」
「どーした? テツヤ」
「手…繋ぎませんか?」
「おぅ!」

朝、通学路。

オレたちはよく手を繋ぐ。

ってか移動中は基本そうかもな。

「ふふっ」

手を繋ぐと、テツヤはいつも嬉しそうに笑う。

テツヤが笑うとオレも嬉しい。

「あっ、おはよう二人とも!」
「よお、光樹」
「おはようございます、光樹君」

今出会ったコイツは伊月光樹。

小4の頃からのクラスメイト。

「相変わらず仲いいなーお前ら」
「ああ、まあな」

オレが光樹とばかり話していると、オレの手を掴むテツヤの力が増した。

「大我君…光樹君ばかり構わないで下さい」

むっとした表情でテツヤは言う。

「悪い悪い」

笑いながら頭を撫でると、ゆっくりと表情が落ち着く。

「あ…ごめんな、テツヤ」
「いえ、大丈夫です。
光樹君なら許せますから」
「あはは…」
「んじゃ、学校行くか」
「そうですね」
「あっ、あの約束だけど、大丈夫か?」
「今日だっけか? ウチ来るの」
「たぶん大丈夫ですよ、光樹君」
「そっか! よかったぁ」


ん? そーいや今日リコ姉たち早いって言ってた気が…。


……ま、いっか!


「誰が一番につくか競争しようぜ!」
「はあ!?」
「よーいどんっ!」
「早ェよ!!」
「あっ、速いです大我君」






オレはテツヤの手を引きながら、学校に向けて走った。







END


 

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