企画

□和成君の日常
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「真ちゃーん!」

今日も涼太と一緒に家を出て、隣の家の木吉家に来た。
毎朝こうして真ちゃんを迎えに来るのがオレの日課になっている。

「和、毎朝うるさいのだよ」
「えー!真ちゃんつれなーい!」

毎朝のことだと言うのに顔を歪めながら嫌そうに出てきたのが極度のツンデレさんの真ちゃん。
オレの親友でオレの思い人。

物心がつく前から一緒にいて兄弟みたいに育ってきたから、真ちゃんはオレのことをそんな風には思ってくれてないんだろうな。

だけど最近は開き直って真ちゃんの隣にいれることを喜ぶことにしたんだよね。

だって真ちゃんって基本的に人を近づけたりしないし、傍に人を置くなんて絶対しないタイプなんだよ?
だから傍にいれればそれでいっかなって思うんだよね。

「今日は会議があるから遅れるなよ」
「あー、りょうかーい!
てか、一緒に行くんだから大丈夫じゃね?」
「そうだな」

だってほら、真ちゃんの中でもオレが一緒にいるのが当然なんだぜ?
これって十分幸せじゃね?










順調に授業が終わり放課後。
今日もいつも通り休み時間は真ちゃんと過ごした。

「そろそろ行こっか、真ちゃん」
「わかったのだよ」

そういって荷物をもってオレの隣に並ぶ真ちゃんを見ればやっぱりオレは幸せなんだと思う。

「どうかしたのか?」
「なんでもねーよ!行くよ、真ちゃん!」

真ちゃんを見たまま止まっていたオレを見て不思議そうに訊ねてきた真ちゃんを笑って誤魔化して、オレは真ちゃんの手を引いて歩き出した。

「会長サマが遅れちゃダメだろ?」
「そんなことより手を離すのだよ」
「もーツンデレなんだからー!」
「ツンデレではないのだよ!」

文句を言いながらも手を振り払われなかったので気分を良くして握ったまま目的地までの道のりを歩いていった。




END


 

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