短い夢物語6

□ぼくは叶わない恋をしよう
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はっきり言おう。枢様は優姫ちゃんが大好きだ。優姫ちゃんは枢様が大好きだ。・・・そして僕はそんな優姫ちゃんが大好きだ。

はっきり言おう。僕は叶わない恋をした。両想いの二人に割って入る隙間もなければ、割って入ると言う愚かな行為も出来ない。

ただ僕は指を加えて幸せなんだと笑う優姫ちゃんを眺めるしかないんだ。

























「枢先輩!」

今日も優姫ちゃんは見回りの合間を縫って教室にやってくる。枢様は息を切らしてやってきた優姫ちゃんを見て、フッと笑う。

それが最近の光景。その光景を見るたびに傷付く僕の心を優姫ちゃんは知らないだろう。枢様は気付いているだろうけれど。

「聞いて下さいよ!今日零が・・・。」

楽しそうに喋る優姫ちゃん。それを微笑みながら聞く枢様。何時も、光景。胸が、痛い。

僕は二人を見ていられなくて席を立つ。それに気付いた暁も席を立ち、僕の後についてくる。教室から出れば、暁がドアを閉めてくれる。

「大丈夫か英?」

「・・・なんのこと?」

わかってる。わかってるよ暁の言いたいことは。わかってる。だからこそ、言えない。

「・・・そうか、なら良いんだ。」

ごめん暁、ありがとう。心配してくれて。でも、どうしても諦めきれないんだ優姫ちゃんのことが。諦めなくちゃいけないって、わかってるのに。

じくじくと痛む僕の心。痛くて苦しくて仕方がない。こんな想いになるなら、もっと早くに諦められてたら良かったのに。

諦めることなんて出来ない、けれど。この想いが叶わないなんて、わかりきってることだけど。それでも僕は、





























ぼくは叶わない恋をしよう































(優姫ちゃん優姫ちゃん優姫ちゃん)

口にするたび、叶わないんだと自覚する。





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