短い夢物語6
□僕に夢の続きを見せて
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キラキラと星が光る湖。
そこに僕と優姫ちゃんはいた。
「藍堂先輩!見て下さい!あんなに空が・・・綺麗。」
キャッキャッと騒ぐ優姫ちゃんを見て、僕の口元は弧を描く。
「そうだね。でも、」
「?」
「君の方が綺麗だよ。
・・・食べちゃいたいくらい。」
「藍堂先輩・・・。」
ニヤリ、笑ってやれば優姫ちゃんは戸惑ったように僕の名前を呼ぶ。
「優姫ちゃん・・・。僕、我慢できないよ・・・。」
「先輩・・・いいですよ。」
僕の言葉ににっこり笑って手をだしてきた優姫ちゃんに、僕も笑った。
「有り難う。」
―――ジリリリリリ!
「・・・。」
むくり、その表現が近い感じに、僕はベッドの上に起き上がった。枕元付近には時間を主張している愛用のデジタル時計。
煩く鳴っているアラームを消し、僕はぼんやりとしながら呟いた。
「・・・もう少しだったのに。」
そう、本当にもう少しで・・・。
―――コンコン
呟いた途端に、ドアをノックする音。その音からして恐らく―――僕の従兄弟である暁だ。
「英、そろそろ起きろ―――って、珍しいな。お前が起きてるなんて。」
「失礼だな暁。僕だって起きる時は起きるよ。」
入ってきた暁にため息を吐き、僕はベッドからおりる。水を用意し、タブレットを口の含んだ僕はそのまま水と共に飲み込んだ。
「・・・?どうした?」
暫く沈黙した僕に暁は話しかけてくる。僕はそれを無視して呟いた。
「・・・物足りない。」
ハァ、僕はまた、ため息を吐いた。
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