短い夢物語5

□もっとおっきくなったら
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『マオ坊やは何時までたってもお子様だねぇ。』

『うるさいなぁ!もう!』

そんな会話をしたのは、何時のことだったか。




















あの、何時死んでもおかしくなかった戦いが終わって数年。ボクは彼、サレが死んだ場所に足を運んでいた。手に持っている青色の薔薇が歩くたびにゆらゆらと揺れる。

ユージーンはボクの隣にいない。今日は一人で来たのだ。





「・・・やぁサレ。」





ポツリと立てられている砂でつくられた二つの墓。トーマとサレのだ。ボクはそのうち、右側にあるサレのお墓の前で足を止める。

「久しぶりだネ。・・・一年ぶりだよネ、確か。」

去年はユージーンと二人で来たっけ、と頭の片隅で思う。

ボクは持ってきた青色の薔薇を粗末な墓の上にのせる。そして、辺りを見回し、落胆し、溜め息を吐く。

「・・・やっぱり、ムリか・・・。」

わかってはいたけど、やはり期待してしまった。もしかしたら、サレがボクの前に現れて、あの余裕に満ちた笑顔で現れるんじゃないかと。

「・・・そういえば、この前懐かしい夢を見たヨ。」

そういって、目を閉じる。思いだすのは、サレと笑いあっていた、あの戦いが始まる、ずっと前の過去。

身長がのびなくてボクがすねてたら、サレはクスクス笑ってた。






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