短い夢物語4

□もやもやの原因は君なのに
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もやもや

もやもや

黒色のもやもやが胸の中を侵食していく。その原因はわかっている。わかっているのに、

「枢先輩!」

・・・解決するすべはない。




















「ハァー。」

「・・・でかい溜め息だな英。」

机にぐだーと伸びて大きな溜め息を吐いた僕に、暁は呆れたような眼差しで見てくる。それをチラリと確認してから、僕は目の前の状況に目を向けた。

「教室に来るなんて珍しいね優姫。」

「枢先輩に聞きたいことがあって・・・。」

「聞きたいこと?」
首を傾げる枢様に笑顔を返す優姫ちゃん。その笑顔は可愛いけれども、僕だけにその笑顔を見せてくれたら、とも思う。

「・・・。」

「・・・空気、荒んでる。」

「支葵、今の英に関わらない方がいいよ。」

「煩いな一条!」

ぎろりと一条を睨んで黙らせる。そして僕はまた目の前の二人・・・否、優姫ちゃんに目を向けた。

見ていればとても温かい気持ちになれるはずなのに、優姫ちゃんの目に僕が映ってないことが悲しい。その笑顔が大切な大切な枢様に向けられていることに、少しの悔しさと、独占したいという感情が現れる。

頭をふってみてもその気持ちが消えることはなくて、もやもやとした黒色のもやが胸の中に現れる。少しずつ少しずつ侵食していくそれ。追い払うすべなんかなくて。目を瞑って僕の視界から優姫ちゃんと枢様の姿を消した。































もやもやの原因は君なのに






























解決するすべはある。なのにも関わらず、それは永遠に解決することはない。

だって、彼女は永遠に僕を見てはくれないから。





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