長い夢物語
□さいしょでさいごのあいしてる。
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「・・・ねぇ、アッシュ。」
「・・・何だ?」
ボクが話しかければ、何時ものように眉間に皺を寄せたアッシュが振り返る。相変わらずだ、と思いながら、ボクは口を開く。
「もし、もしだよ?」
もし、ボクが、
「好きな奴が出来たとして、」
「・・・。」
「ボクは、」
その人を愛せると思う?
それを聞いたアッシュは眉間に寄せていた皺を更に寄せる。考えているのだろうか。
暫くの沈黙の後、アッシュはゆっくりと口を開く。
「・・・そんなの、俺にわかるわけないだろ。」
「・・・そうだね。」
確かに、そうだ。アッシュはボクじゃないんだから。レプリカでもないんだから。
「・・・そんなに知りたいなら、好きな奴を作って、確かめたらどうだ?」
「・・・。」
「ま、愛せるのかどうかわかるのは、好きな奴が出来た先の話しだけどな。」
そこまで言って、アッシュはボクから顔を反らす。そして、何処かに歩いて行った。
さきのはなし
(思えば、この時から全ては始まっていたのかも知れない)
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