短い夢物語2
□鈍感少年の憂鬱
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最近の自分は病気じゃないか、と思う。何故なら、とある少女を見るだけで激しい動悸と息切れ。顔に熱が溜まり、それは耳をも真っ赤にする。
別にその少女が嫌いなわけじゃない。姉は見るだけで腹痛が起きるし嫌いだが、少女を嫌いなわけではない。
ではこの症状はなんなんだ?と聞かれればそれまでだ。何故なら、それは俺が一番知りたいから。
「・・・と言うわけ何だよ。」
「・・・お前、馬鹿だろ。」
「何だと!?」
「まーまー、落ち着けって。」
煙草の煙をふーと吐き出しながらシャマルの野郎はニヤリと笑う。明らかにからかいを含んだ笑み。俺がギロリと睨めば、また楽しそうに笑う。
「お前、気付いてないのか?」
「だから何がだよ。」
「気付いてねぇのか。」
やっぱり馬鹿だな、そう言ってシャマルはまた笑う。俺が知りたいことをコイツは知っている。そしてコイツはそれを教える気はない。
俺は舌打ちをすると、荒々しく煙草を吸って煙を吐く。急に吸い込み過ぎて喉が痛くなったが、今はイライラの方が強かった。
「まぁ、その子に会えばわかるんじゃねぇか?」
「会ってもわかんないから聞いてんだろが。」
「じゃ、お前。ここから外を見てみな。」
シャマルに促され、保健室の窓から外を覗く。別に可笑しな所もなければ、気になるようなモノも―――・・・。
「・・・あ?」
あった。
そこには楽しそうに男と談笑している例の少女。それを見た瞬間に頭が真っ白になった。次にイラつきが上昇し、少女と喋っている男に殺気を飛ばす。
「おいおい、落ち着けって。」
「あ゛?」
「で?わかったのか?例の症状のワケ。」
ニヤニヤとシャマルが笑って尋ねてくる。俺は腕を組んで考えるが、イライラのせいで上手く思考が働かない。
「・・・まさか、わかんねぇのか?」
「・・・。」
「・・・ハーッ!こりゃ重症だねぇ。」
シャマルがそう言ってくるがわからないものはわからない。俺は窓の外に目をやって、また男を睨み付けた。
鈍感少年の憂鬱
(わけわかんねぇ・・・)
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