短い夢物語6
□だいすき!
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「長官!今日はわし出掛けてくるから任務は受付んぞ!」
「はっ!?ちょ、待て・・・カクー!」
エニエス・ロビーから出てきたカクはある船を探していた。
「この近くで見たと言う情報なんじゃが・・・。」
キョロキョロと辺りを見回すカク。その手には大量のチューリップの花束とピンクにラッピングされた四角い箱。
カクはとある船に乗るとある人物を探していた。花束と箱が落ちないように両手で持ち、また辺りを見回す。
「・・・おっ!」
ある方向を向いたカクは、探していた船を目の端に捉え、顔を綻ばせた。その船は先端にライオンと言う、なんとも可愛らしい船だった。
「・・・見つけたぞ!」
そう叫んだカクは次の瞬間に姿を消し、ライオンをあしらった船の甲板にいた。
「なっ!」
「うそ・・・!」
「てめぇ・・・!」
ライオンの船・・・サウザンドサニー号に乗っていた麦藁海賊団は、やってきた人物を見て驚いた。
それは、己等が倒したはずの人物、カクだったからだ。
「久しぶりじゃのう。」
麦藁海賊団が警戒するなか、カクは手をあげ挨拶する。しかし、甲板には己が探している人物が居なかったのか、残念そうに肩を落とす。
「一体何のようだ?」
チャキリ、刀を構えたゾロは、カクを見据える。カクは花束と箱を持ち直す。
「お主等に用はない。ウソップは何処じゃ?」
「竜巻き!」
「なんじゃいきなり。」
カクがウソップの名前を口にした瞬間、ゾロは攻撃する。だが、カクは一歩横にずれて攻撃を回避した。
「ムートン・ショット!」
「人の話を聞け。」
ゾロとは違い、後ろから攻撃してきたサンジ。けれどもこの攻撃もカクは簡単に避ける。
「ウソップは何処じゃ。」
「なんでお前なんかに教えねぇといけねぇんだ。」
「なんで、って。会いに来たからに決まっとるじゃろ?」
さも当たり前に答えるカクにサンジとゾロは眉を潜める。ナミはカクの言葉に違う意味で眉を潜めた。
「あんた、もしかして・・・。」
「なんじゃ?」
ナミの呟きに反応するカク。だが、ナミが口を開く前に、甲板へと繋がる扉が開いた。
「どうかしたのか?」
「ッウソップ!」
「うわぁっ!?」
扉を開け出てきたのはカクが捜していた人物、ウソップだった。カクはウソップを視界にいれると、次の瞬間、ウソップの前に移動した。それに驚き声をあげるウソップ。
「ウソップ!」
「てめぇ離れろ!」
「ウソップ!」
「は、はい!?」
サンジやゾロの声を遮るように、カクが声をあげる。カクは手に持っていた花束と箱をウソップに押し付けるように渡すと、にっこり笑う。
「誕生日おめでとう!」
「・・・え?」
ぱちくり、瞬きをしてウソップは首を傾げる。
「・・・まさか、わざわざ、この為に・・・?」
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