指揮棒部隊

□野良猫と猟犬
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「え…………」

目の前で起きていることが……

いや、たった今、私の手で引き起こされたことが、理解できない


「嘘っ…… 私…… 私………」

「……おい… アンタ、いったい…?」


SSOのみんなから話を聞いて、理解はしていたつもりだったけれど

自分自身の手から、その『得体の知れないチカラ』が発せられて… 生み出される様を直視するのは

まだ、今の私には早過ぎた……


「違う… 違う……!」

怖い。気味が悪い。寒気が、する………

私は必死で… 起こってしまった『何か』を否定しようと足掻いた


「魔法なんて… こんな常識から外れた、人外の能力なんて、私には、身に覚えがなかったはずなのに…… 私…… 私……?」


完全にパニックを起こしてしまっていた私に、タカスギは


「……!!」


何かを、叫んで。私の肩をつかんで……

それで、私は………




















「で、落ち着いた? ミーナ」

「………………え?」


自分の口から、間の抜けた声が漏れたのが分かった


「…とりあえず、あんたが真実、魔法使いなんやってことだけは分かったわ。今日はもうええやろ。これ以上会話続けてたって、余計混乱してまうだけやろうから。とりあえず荷物片付けよ! 手伝うわ」


え…… え………

今、私……?

私は今、タカスギの部屋で、知りもしない魔法を使って…… それで……?


どうしてだろう。何か、おかしな空白というか… 何かを『失くして』しまったかのような、奇妙な感覚が残っている


「ほら、そこのクローゼット開けて。とりあえず、全部入れてまおう」

促されるままに、私は反射的に、私が座っていた背中側に位置していた扉を開けた

すると……


「きゃっ……!!」


なにかが、扉の向こう… クローゼットの中から飛び出してきた

その何かに、私はおもいっきり飛びつかれて……


「…!! ファーガス!! コラッ!!」
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