短編
□箱庭
2ページ/5ページ
天女様が降ってきた、その時から…
みんな変わってしまった…
天女様が来る前は、みんなで馬鹿やって笑いあっていた
みんなで遊んで、仲良くしてたのに!!
どうして?
どうして、みんな争うんだ?
楽しく、笑い合えないんだ?
どうして…
みんな天女様ばかりなんだ?
雷蔵も、八左も、勘も、兵助も…
みんなみんな、天女様の方に行ってしまった
…私がおかしいの?
私が、天女様を好きになれないのがいけないの?
みんな、元に戻ってよ…
一人はいやだ…
いやだよ、また1人なんて…
++++
雷蔵said
あぁ、気持ち悪い…
さっきからべたべた引っ付いてくる女…
天女?…ハッ、笑わせるな
でも、そんなことを顔に出さず、ニコニコといつものように笑う
何でこんなことをしなくちゃいけないんだ…
早く、三郎に会いたいな…
人一倍強がりで、人一倍寂しがりやな彼に…
三郎said
‐朝‐
ご飯を食べようと食堂に向かうと、天女様たちと仲良く朝ごはんを食べているみんなを見つける
私は、すぐに注文して、すぐ食べすぐに自室に帰る
…今日は最悪だ
この後、よりにもよって任務…実習がある
けれど、幾分心が安らぐかもしれない
この学園には、今は居たくないから
++++
森の中を駆ける
「ッ!!」
思わず転びそうになる
…油断した、密書を奪った後に攻撃された…
火縄銃で、右足の腿を撃たれてしまった
パァンッ
「あッ…グッ!!」
今度は、左肩を撃ち抜かれる
…ッ、もう少し、あと、もう少しで、学園…
敵「逃さん!!」
「!?」
先回りされていた!?
「ッ、くッ」
とっさにクナイを出して応戦する
敵「どうした?避けるのがやっとか?」
私は、いったん距離をあけ手裏剣を投げる
しかし、敵に避けられる
…敵が避けた先に、天女様がいた
天女「きゃぁ!!」
天女様の肩に手裏剣が刺さる
やってしまった…
私は、みんなから嫌われてしまう……
小さいときの記憶がフラッシュバックする
母にも父にも見放された、一人ぼっちの感覚
敵「すきあり!!」
敵は、膝をついた私にクナイを振り落とした
.