短編

□自分勝手
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雷蔵視点



今朝起きたら、隣にいるはずの三郎がいなかった

僕は慌てておきた

そして着替えようと思ったとき小さな紙切れを見つけた

‐さようなら、みんな・・・大好き‐

これだけが書いてあった

僕は血の気が引くのがわかった

これは三郎の字だったから

そして、文字がところどころ滲んでいる

きっと、泣いていた

「ッ、三郎!!」

僕は着替えるのも忘れ学園内を探し回った


どうか、どうか嘘であってほしい・・・

焦っている僕を見て嘘だよと、笑って欲しい・・・

けど、学園に三郎はいなかった


僕は一旦部屋に戻り寝巻きから忍装束へと着替える

「雷蔵?」

「どうしたの?・・・そんなに慌てて」

「何かあったのか?」

八左とい組の勘ちゃんと兵助が部屋に入ってくる

「三郎が、いないんだ」

「鉢屋が?」

「置き手紙があった、さよなら、みんな・・・大好き≠チて」

僕の言葉に、みんなは凍りついた

「学園内は?」

「探したけどいない」

「じゃぁ・・・」

三郎は学園の外に・・・

勘右衛門は険しい目つきをして先生に外出許可証を貰ってくる、といって走っていった

僕らは応急処置道具とクナイ、手裏剣などを持つ

勘ちゃんが帰ってくると僕らは急いで外に出た


宛なんてない

ただ直感で進む




学園からさほど遠くない林の中から血の匂いがかすかに漂ってきた

僕らは戸惑いもせず入っていく

「三郎!!・・・いたら返事してくれ!!」

「三郎!!」

僕らは敵に見つかることを考えず

大声で三郎を呼ぶ


そして、血の匂いが一番強いところへ行く



そこにはおびただしいほどの死体が転がっていて死体の中心には僕らが探していた姿があった


「三郎!!」

僕らは死体を飛び越し三郎のもとへ

「三郎、三郎!!」

勘ちゃんが脈を確認する

「・・・雷蔵、鉢屋は、もう・・・」

勘ちゃんは首を横に振った

信じたくない、信じたくない

だって、昨日まで昨日まであんなに笑っていたのに・・・!!

「うそ、だ・・・嘘だ!!」

やっと声に出せたけど声が震える

涙が頬を伝い三郎の冷たくなってしまった手に落ちる






























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