短編

□自らの死を選んだ君へ
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※自殺ネタ注意

イメージソング
透明アンサー/唄:IA

学パロです!
















隣の席、そこにはただ風が通り抜けるだけ。

机にはお前のような可愛らしいピンクの花が入った花瓶。
















オレは前、思っていた。
満点のテストを見つめながら、

勉強なんてする必要ないのに
勉強なんてしなくても満点は簡単にとれるのに。

どうして皆、こんな簡単な事もできないのだろう

と。
オレにとってはすべてが下等生物であって、お前も下等生物の一人だった


……ハズなのに






『青ブロは頭がいいんだね…私とは大違いだ…!』

「…………別に」

『…青ブロはどっか塾にでもいってるの?』

「行ってない。行く必要がないだろ。」



お前はオレの言葉に少し驚いて、そっかと呟いた
オレはただ、問題に答えるだけであって難しい事ではない。

“答え”をただ見つけてそれを書くだけ。




『頑張んなきゃな…』

「何をだ?」

『何って、勉強だよ』

「そんなの頑張って、何の特になる」

『特というか…ある程度知識はないとね…』

「………」




オレは何も答えられなかった。
何を言ったらわからなくて。
今思うとお前のほうがずっと頭が良かったんじゃないかって思う

お前はそれから、オレにいろんな事を問い、オレはそれに答え続けた

色々と話ていくうちに、何故か答えられないものはない、と自信がつくようになってしまった。


いつ頃か、お前はオレに言った。




『青ブロには、答えられない問題がある?』

「別に無い」

『………そっか』

「何でそんなこと聞く。自分で分かっている癖に」

『何でもない…』




お前が何故、悲しそうな顔をしていたのかあのときのイカれたオレの頭では理解不能だった。

あの時に気づいてやれば
お前は死ななくて良かったかもしれないのに

でもお前がその道を選んでしまった以上、オレにはもう何かを言う価値がない。

けれど、お前の選択は正しかったのか?
何か他にお前が楽になれる方法は無かったのか?

オレがあのときに気づいて、救ってやれればお前は…









自ら死のうなんて、思わなかったか?











前はお前よりオレの方が上の存在だったかもしれない。
お前が問い、オレが答える

今はもうすべてが反対。



例えばお前が姫で、オレは奴隷。

それでもまだ、オレは下の存在。


だって、お前を“守る”ことができなかったのだから









ここから飛び降りて死んだお前を、オレは追いかけていいか?


今度は絶対に、お前を………























「千尋を守って見せるから」












自らの死を選んだ君へ


追いかけた青年は、追いかけることも出来なくなっているのに気づかない。

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