次回作下書き

□四度目の人生下書き
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次回作の構想で、思い付いたネタを自分が忘れない様に書いているだけの物です。

なので本連載時には大きくない様が変わる可能性もあるでしょうし、話の掲載順や時系列もバラバラ、途中までしか書いて無い物等多数なのでご注意ください。

そして三度目の人生の次回作なので、当然そのネタバレもありますのでご注意を……あくまでこんな次回作を考えてる〜という程度にご覧ください。

この四度目の人生では、オリジナルキャラが多く登場したり本編STSよりも幼少期〜訓練学校時代がメインになったりとオリジナルストーリー中心で展開する予定ではあります。
















『四度目の始まり』









本当に長く歩いてきた。


一度目の人生は孤独と拒絶を胸に、二度目の人生は戸惑いと温もりを胸に、三度目の人生は希望と信念を胸に……


一度目の人生で得られなかったものは、二度目の人生で得る事が出来た。


二度目の人生で救えなかった者は、三度目の人生で救う事が出来た。


……だけどまだ、心残りが無いと言えば嘘になる。


三度の人生を経ても、成し遂げられてない事がある。


俺はまだずっと共に歩いてきた大切な家族、その彼女が心の内に隠した小さな願いを叶えられていない。


だから俺は期待してたんだ。三度目の人生が終わる時……もう一度この奇跡が続いてくれる事を……


























薄汚れたアパートの鏡の前、俺はその鏡に映った自分の姿を見ながら引きつった笑みを浮かべていた。

「……こ、こう来たか……」

まるで神様が俺の願いを叶えてくれたかのように……当然の如く四度目の人生に足を踏み出した俺の姿。

鏡に映るそれは……どう見ても、10歳に満たない少年の姿だった。

まったく手入れを行っていないボサボサに伸びて汚れた灰色の髪、安物を長期間着続けた為にあちこち穴だらけの服、必要な家具以外何も無い廃れた狭い部屋。

恐らく孤児院を出たばかりの頃に戻っているのだろう。

(なんだか、転生する度に若返ってますよね友……五度目があったら赤ん坊なんじゃないですか?)

「何と言うか、まぁ……本当に不思議な事に縁があるよね俺」

どこか呆れた様なフェニックスの言葉に苦笑しながら答えると共に、何故かこの状態になってからずっと黙ったままのジェミニを見る。

≪……≫

「ジェミニ?」

≪……ま、マスター……≫

首を傾げる俺に対し、ジェミニはどこか上の空の様に呟いた後……何故かアウトフレームに切り替わり人間の姿になる。

今の俺の体は小柄なジェミニより小さく、見上げる様な形になるのはなんだか新鮮だ。

しかしジェミニは黙ったままで俯いており、心なしか肩が震えている様にも見える。

「……?」

「……か……か……」

「うん?」

「可愛いぃぃ!!」

「うわっ、ちょ、じぇ、ジェミニ!?」

ジェミニの様子が心配になり覗き込む様に首を傾げると、ジェミニは突如叫び声と共に俺を強く抱きしめる。

って、何だこの状況!?

「何ですかこれ、天使、天使ですか!?」

「じぇ、ジェミニ、苦しい……」

「つぶらな瞳にあどけない顔……凛々しいマスターも素敵ですが、幼いマスターも凄く可愛いです! 可愛すぎて……私のマスターへの愛が爆発してしまいそうですよ!!」

(……ジェミニ様の愛が爆発してない時なんてありましたっけ?)

暴走するジェミニに抱きしめられ、この体では振りほどく事も難しく困惑する俺に対し……もうすっかり慣れた様子のフェニックスはのんびりと突っ込みを入れていた。

ああ、もう、この世界でも俺の相棒は相変わらず……完全にスイッチ入っちゃったから、落ち着くまでそうとうかかるぞ、これ……

正直フェニックスと同じく、俺ももう慣れている為、大きなため息を吐いて抵抗を諦めた。

















たっぷりと時間をかけ、ようやくジェミニが落ち着いてくれたので状況の確認を行っていく。

どうやら今の俺の年齢は10歳どころか5〜6歳……孤児院を出て、小さなアパートを借りたばかりの頃に戻っているみたいだった。

申し訳程度にある道具でお茶を入れ、それを飲みながらジェミニが現在行っている簡易スキャンの結果を待つ。

三度目の時より遥かに幼い体に戻っているから、単純に考えれば魔導師としてロクに戦える様な体ではないだろうけど、三度目の時みたいに魔力放出量が高くなってたりするかもしれない。

まぁ、流石に転生も三度目だし、もう大抵の事じゃ驚かな……

≪……魔力値はAAAですね≫

「ごふっ!?」

ジェミニが簡潔に呟いた言葉を聞き、俺は思いっきりむせかえる。

なんて言った今? AAA? そ、そんな馬鹿な……

「ごほっ、ごほ……な、なんかの間違いじゃないかそれ? 前の時は、魔力値は年相応に戻ってただろ?」

≪確かに前はそうでしたが、今のマスターの魔力値はどう見積もってもAAA以上、魔力放出量に至ってはSクラス魔導師と比べても遜色がない程です≫

「んな、馬鹿な……」

≪ついでに言えば、筋力等も5歳前後ではありえない程ありますよ……≫

(この時点でその数値なら……機動六課に所属する年齢の頃にはとんでもない事になってるんじゃないですか? なんだか、若返る度に強くなってますね)

ジェミニがモニターに表示するデータを茫然と眺めるが、確かにこれはとんでもない。もうこの時点で局のエース級魔導師並のスペックで、しかもフェニックスがいるので魔力は無限、ジェミニも三度目の人生を経て遥かにパワーアップしている。

もう、これは力を隠すとかそういうレベルでは無い気さえする……神様は一体俺をどうしたいのだろうか?

「……ちなみにお金とかは?」

≪……島でも買いますか?≫

例によって貯金全部あるみたいだった。





























「……とりあえず、まずは引っ越しからかな?」

「引っ越しですか?」

小さな椅子に座った俺が決意を込める様に呟くと、ハサミを片手にボサボサの俺の髪を整えてくれていたジェミニが首を傾げながら聞き返してくる。

余談ではあるがジェミニは美容師免許や薬剤師免許等多数の資格を習得しており、戦闘以外の面でも本当にいつも俺をサポートしてくれている。

時々スイッチが入って暴走するのが珠に傷ではあるが、本当に最高の相棒だと胸を張って言える。

「うん。お金も十分過ぎるほどあるし、もっとしっかりした部屋に引越ししないと」

(友にしては珍しく贅沢な方向の決断ですね?)

「だって、こんな汚れた部屋でジェミニをメンテして埃でも入ったら大変じゃないか!!」

(……あ、ああ、例によってそっち方向の理由ですか……友も相変わらずですね)

力を込めながら告げた言葉に、フェニックスは予想通りだったとでも言いたげに大きなため息と共に呆れた様な声で答える。

そうこうしている内にジェミニによるヘアカットが終了したようで、ジェミニは鏡を俺の方に向けながら微笑む。

「こんな感じでいかがでしょう?」

「うん。さっぱりしたよありがとう……前より少し短めにそろえたんだね」

「そうですね。やはり体が子供に戻ってますし、セミロングよりはセミショートの方が似合いますよ」

肩辺りでそろえる事の多かった以前とは少し髪型が変わり、首の中間程の長さと少しシャギーも入れたのか少しエリオに似ている髪型になった気がする。

そして髪は整えたが服がボロボロの物ばかりだったので、引っ越しをする前に買い物に出かけ……例によってジェミニに見繕ってもらって数着購入。身なりがしっかりと整ったのでその日の内に不動産屋に行き、引っ越し先にある程度当りを付けておいた。





















以前住んでいた所から比較的近いマンションに引っ越しを終え、荷物整理も数が少なかった為にすぐに終わった。

家具等生活に必要な物も買い揃えたし、魔法術式の確認に今の体に合わせてジェミニのフレームを作り変えたり、召喚獣達への報告と色々やっていると一週間ほどたっていた。

朝食を食べ終えリビングでコーヒーを飲んでいると、大きな荷物を軽々と抱えたジェミニが戻ってくる。

「マスター、注文していた部品が届いてますよ」

「お、ようやく届いたか……これでやっと露店が再開できる」

(露店ですか?)

ジェミニが運んで来てくれた箱の中のパーツを確認しながら呟くと、フェニックスが不思議そうに首を傾げて尋ねてくる。

「ああ、この頃の俺は公園で露店をして生活費を稼いでたんだ。正直今はお金には困ってないけど、フェイトさんやスバルと出会うきっかけもそれだったからこの世界でもやろうと思ってね」

そう俺が一番初めの世界で行っていた公園での露店。それはフェイトさんやスバルといった多くの人と出会うきっかけとなったものであり、この世界でも今まで通り行おうとは思っていた。

しかしいざ露店に並べる商品を見てみると、廃品を少しいじった様なものが多く修理も雑……そのまま並べるのは抵抗があったので、ある程度の部品を購入してしっかりと修理をした上で売る事にしていた。

数自体もそれほどは無く、元々ある程度目処は付けておいたので修理も一日で終わり、翌日には真新しい大型の肩掛け金属ケースを担いで露店を再開する為に出発した。










































――公園――


公園に着いたは良いが……正直どこで露店をやっていたかは全く分からなかったので、適当な場所にレジャーシートを広げ、商品を綺麗に並べて折り畳み式の椅子に座る。

確か一番初めに出会ったのはフェイトさんだった筈……現在の俺の年齢は6歳の様だが、もう出会ってるんだろうか? それともまだこれからなんだろうか……う〜ん、正直覚えてない。

コンビニで買った雑誌をのんびりと読みながら、時折念話でジェミニやフェニックスと雑談を続けていると……足音がこちらに近づいてくる。

あれ……この魔力は……間違い無いフェイトさんとアリシアさんだ。まさかこんな、露店初めて初日で遭遇するとは、何とも不思議な気分だ。

グノーシスにより接近してるのがフェイトさんとアリシアさんである事は分かっていたが、あくまでまだきずかない振りをして二人が露店の前に立ってから顔を上げる。

「うわ〜これ全部商品なんだ? 凄いね!」

「いらっしゃいませ、よろしければ見ていってください」

話しかけてきたフェイトさんの言葉に笑顔で言葉を返すと、フェイトさんは少し驚いた様な表情を浮かべたが、すぐに笑顔になって言葉を続ける。

「これ、全部君が修理したの?」

「ええ、基本は廃品を修理してます」

「ほえ〜すっごいね」

フェイトさんの質問に答えていると、アリシアさんも露店の商品を手に取って眺めながら感心したように呟く。

そしてフェイトさんは俺の返答を聞いた後、どこか言い辛そうな表情を浮かべながら再び口を開く。

「えと、聞いちゃ駄目だったらごめんね。君、家族とかは?」

「……両親という意味でしたら、俺は孤児なのでいません」

「そ、そうなんだ……」

「でも……家族は居ますので、寂しくは無いですよ」

心配そうな表情を浮かべるフェイトさんに対し、俺は微笑みを浮かべながら自分の胸にかかったジェミニ……ひいてはリンカーコアの中に居るフェニックスを指差す。

「それって、もしかしてインテリジェントデバイス!?」

「ええ、ジェミニといいます。俺の大切な家族ですよ……っと、自己紹介が遅れましたね。コウタ・エルザードといいます。よろしければお見知りおきを」

「お、おぉ……しっかりしてるね。あ、私はアリシア・テスタロッサ。こっちは妹の……」

「フェイト・テスタロッサです。よろしくね」

「こちらこそ、よろしくお願いします」

穏やかな雰囲気で自己紹介を行った後、しばらく雑談を続けているとふとアリシアさんが看板に気付いて首を傾げる。

「あれ? 『デバイスのメンテナンス承ります』って、デバイスも取り扱ってるの?」

「ええ、一通り」

「本当に凄いね……あ、そうだ。丁度良いじゃんフェイト、最近バルディッシュの調子が少し悪いって言ってたし、見てもらったら?」

「え? う、うん」































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この先のからみはまだ考え中です。

ショタコウタ? ともあれ、初期スペックは歴代最強ですね。

ここまで強い状態での転生なので、もはや力を隠す方向では無くある程度天才少年的な方向で行こうかとも考えてます。

この時代にはイベント盛りだくさんですし、ゼスト隊壊滅やティーダ事件にも絡む事が可能ですね。
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